猫娘と神野区異変編
NO.095 始まりの終わり 終わりの始まり
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はい……」
力なくオールマイトは言葉を発するしかできないでいた。
「ところで、塚内君。緑谷ガールは今どうしているんだい……?」
「緑谷さんか? もう今頃は事情聴取も終わっている頃だろう。一緒に来るかい?」
「ぜひ、行かせてくれ。私は師匠として彼女を支えないといけない……。これから緑谷ガールは今回の件で少なからず世間から様々な目で見られてしまうのは間違いないのだから」
「だな……。お前の引退も絡んでくるだろうからな」
それでオールマイトと塚内は出久のもとへと向かった。
その出久はあらかた事情聴取も終わり、後は母・引子が迎えに来て家に帰るだけなのだが、外ではおそらく取材のカメラが待ち構えているだろうからどことなく辛そうな顔をしていた。
そんな中で、なにやら外が騒がしいのを感じ取り、何事かな……と思っていると、
「やぁ、緑谷ガール」
「オールマイト!?」
そこにオールマイトが突然姿を現してきて、出久は今にも泣きそうな顔になっていた。
それはそうだろう。
何度も言うがオールマイトが引退するキッカケを作ったのはどこから見ても自分なのだから。
ヴィラン連合の幹部達もそれは関係してくるだろうが、今はもうどこにいるのかすら分からないので追及されるべきは出久だけになってしまう。
「オール、マイト……僕は……僕は……」
「緑谷ガール……」
もう、出久はオールマイトの手を震える両手で握りながら涙をいくつも流していた。
何度も感じてしまう後悔という気持ち。
もし、もっと自身がしっかりしていたらこんな事にはならなかったのではないか……?
そんな感情がリフレインしてしまっていてこうして我慢していたが、オールマイトの登場とともに感情のダムが決壊して涙がとめどなく流れてしまっている。
「オールマイトッ……ごめん、なさい……僕は、あなたの事を……!」
「いいんだ緑谷ガール。いいんだ……」
出久の背中をさするオールマイトは、改めて出久の心に暗い思いを与えてしまった事に深い衝撃を受けた。
どう言葉を出していいか悩む。
だが、それでも決心した気持ちをとともに、優しく話しかける。
「緑谷ガール……私は正式に引退するだろう」
「ッ!!」
「緑谷ガールの治療で表面的な傷は癒えた。だけど、それ以前からの積み重ねが祟っているのは君も知っている通りだ。
だからね。私は、これからは君の育成に専念することにする」
「オール、マイト……」
「そしてこれから君は世間の目に嫌がおうにも晒されてしまうかもしれない……それらから私は君を必ず守る事を頑張るとしよう」
「そんな、事……これは、僕の咎なのに……オールマイトがこれ以上重荷を背負っちゃいけないのに……」
「それでも、だ。だからこれからも一緒に
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