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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第20話:Rockman
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などないために、基本的な型すらマトモに出来ていないため、ただがむしゃらにセイバーをシグマに叩き付ける。

しかしセイバーによる攻撃は確実にシグマにダメージを与えて蓄積させていく。

「ぬうううう!!己ええええ!!」

無視出来ないダメージが蓄積していくシグマの表情にも焦りの色が見えている。

シグマの腕がエックスを床に叩き落とす。

「がはっ!!ぐっ…まだまだあっ!!」

床に叩き付けられるエックスだが直ぐさま立ち上がり、再びセイバーで斬り掛かる。

「ぐっ…何故だ。何故これ程の力を前にしても尚、戦おうとする!?」

「守りたいものがあるからだ!!俺が今まで戦ってこれたのはルインやゼロ、ライト博士とケイン博士達の存在があったから…そしてみんなとの思い出やみんなの願い…それが俺にどんな敵とでも戦える勇気をくれるんだ!!」

「戯れ言を!!」

シグマがエックスに向けて腕を振るうが、エックスは強化アーマーを失っているのにも関わらず、素早く動いてそれをかわした。

「お前の言う戯れ言が俺を支えてくれているんだ!!そしてお前を倒すのもお前にとっては取るに足らないだろう人々の無数の願いだ!!」

エックスは渾身の力でセイバーを無防備なシグマの腕に向けて振るい、両断した。

「ば、馬鹿な…私のボディが…!?」

「願いは!!そしてそれに応えようとする意志は!!どんな強固なものでも打ち砕く!!これは俺だけの力じゃない…これはルインやゼロ、そして死んでいった仲間達…そして俺を信じてくれたみんなの力なんだ!!」

「黙れ!!今ここにいない機能停止したルインとゼロと愚か者達に何が出来る!!」

「少なくとも!!」

セイバーをチャージし、そしてシグマに最後の一撃を叩き込むために一気に跳躍してシグマの頭部に向けて振り下ろされるチャージセイバー。

「みんなはお前を倒すための力を俺にくれた!!」

チャージセイバーの直撃を受けたシグマは蓄積していたダメージもあり、メカニロイドのボディから爆炎が上がっていく。

「ぐわああああああっ!!エェックスゥゥゥゥゥゥ!!!!」

屈辱か、怒りか。

怨嗟に似た咆哮が部屋に響き渡るが、エックスはそれに構わずに大破したゼロを抱えると、すぐさまシグマパレスから脱出する。

「(さようならシグマ隊長…)」

かつて尊敬していたシグマへ最後の言葉を胸中で呟くエックス。

爆発するシグマパレスを脱出したエックスは遠くで炎上するシグマパレスをただ悲しげに見つめていた…。

戦いは終わった。

明日になれば、再び平和な朝が訪れることだろう。

しかし、傷つき、倒れ、夜の闇へと消えていった者達がその朝を目覚めることは決してない。

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