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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第20話:Rockman
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一見すると大して効いていないように見えるが、シグマの異常なまでの精神力の強さを思えば、彼がエックスの攻撃で些かも怯まなかったからと言ってそこが弱点で無いと判断するのは早計だ。
シグマのメカニロイドのボディには通常ショットやチャージショットどころか、スパイラルクラッシュバスターも特殊武器も通用しない。
ならば攻撃が通用するそこを攻撃するしかないのだ。
「くっ、ローリングシールドはエネルギー切れか…!!」
ローリングシールドのエネルギーが尽きて、今度はスパイラルクラッシュバスターをシグマに喰らわせようとする。
「甘いぞエックス!!」
シグマの額のバスターから再びゼロを破壊したチャージショットが放たれ、エックスを飲み込んだ。
「がは…っ!!」
更にエックスの頭上から振り下ろされた腕がエックスの全身を強かに打ち据え、凄まじい速度で落下したエックスは、床上に激しく叩き付けられると数度バウンドし、そのまま力なく床に倒れ込んだ。
「勝ったぞ…この勝負…私の勝ちだ!!」
シグマの笑い声が響き渡り、意識を失っていたエックスの脳裏を過ぎる光景があった。
『…ス。……ックス。エックス』
目を開けると、白い豊かな髭を持った老科学者が優しげな目で自分を覗きこんでいた。
自分の知る物より若さを感じるが、この老科学者は自分やゼロ、ルインを強化してくれた人ではないか。
周りには古い型の設備が並んでいた。ここは何処だろう?
『あな…たは…?』
自分の意思とは無関係に胸までしかない状態でカプセルのようなもの寝かされている自分は老人に問う。
すると老人はエックスの問いに嬉しそうに答えた。
『私の名前はトーマス・ライト。お前の生みの親だよ。エックス』
生みの親と聞いて妙に納得してしまった。
だから自分のパワーアップパーツを造ることが出来たのだなと。
『エックス……それが…私の…な…ま…え…』
意識が落ちる…出力不足だろう。
『エックス…そう、無限の可能性を意味する名前だ。お前は自分で考え、行動する新しいタイプのロボットになるんだよ』
そして場面は変わり、この頃のエックスは組み立てが終了し、後は微調整と主武装となるバスターの装着を残すのみとなっていた。
しかし、この日に会いに来てくれた老人は窶れ果て、憔悴しきっていたために何時もと様子が違うことを、外の様子を知らないエックスでもすぐに察した。
『どうしました?博士…お疲れの様子ですが…』
『エックス。お前は本当に人間と同じようだな…だがそれだけに…ゴホッゴホッ…お前のように極めて自分達に近い存在を受け入れるには、まだ人類は幼すぎるかもしれん…人はお前の無限の進化の可能性を危険と感じるか
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