士郎くんの足跡(中)
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の立場を笠に着てそんな事してるなんて……』
『違うからな? セイバーがやって来るんだ。凄い剣幕で断れない。ぶっちゃけ初対面の女の子と同衾とか、したくねぇよ。で、真面目な話。
あれだ。俺達の同盟は俺達の存在ありきなんだよ。もし誰かが欠けてみろ、セイバーはともかくアーチャーやライダーに、同盟を続ける意味がなくなる。代わりのマスター探さなくちゃなんないし、そのマスターが同盟に加わる保証はない。それにセイバー達は貴重な戦力なんだから、死ぬまで戦えとか言えるか? 数のアドバンテージを捨てるとかナンセンスだ。不利になるなら撤退一択で、仕切り直せばいい。だから最優先は、気配もなく俺達をサクッと殺せるアサシンだ。数はこっちが上なんだぞ? 同盟の要を不意打ちで崩せるアサシンを脱落させたら、後は順当に数で潰して行けばいい』
『……え、何? 衛宮君、貴方何者?』
『衛宮は頭がキレるって言っただろ。ただ馬鹿なだけで』
『うるさい。数で袋にされた経験があったら、嫌でも数の優位性が骨身に染みるだけだ』
「先輩……この頃から、変わってなかったんですね……」
『えげつない! えげつないですよ、この士郎さん!』
マシュがまた遠い目をしていた。ルビーのツッコミに、イリヤは絶句している。しかし美遊の顔は、呆れというよりも、憧れているみたいに輝いていた。実に合理的で深く共感と納得が出来た。
正しい物の見方だと、切嗣は分析する。ただエミヤは無言で白目を剥いていた。この現場に自分がいれば、果たしてどんな気持ちで士郎の発言を聞いていたのかと想像すれば、硝子の心から涙が出そうである。
『決まりね。衛宮君の意見を採用しましょう。アサシンを倒す、でもそのアサシンがどこにいるのか分からないと話にならないわ』
『それなら考えがある』
士郎が言うと、しらぁ、と凛は目を向けた。
嫌な悪寒、と呟いたのは誰か。
『この話を聞かれてたら意味がないけどな』
『流石にそれはないんじゃないかしら。昨夜に同盟を組んだばかりだし、此処にはセイバーとライダーがいるのよ? アーチャーは私の家で傷を癒してるけど、三人のマスターと二騎のサーヴァントが一緒にいたら、普通は警戒するはず。仮に私達を見つけていたとしても、自分のマスターに報告して遠巻きにしてるのが精々じゃないかしら』
『だな。考えってなんだ、衛宮。言ってみろよ』
『セイバーを俺の家に置いていく。アーチャーはそのまま遠坂の家で待機。ライダーは周囲を索敵して、俺達三人は固まって夜中、街をぶらつく』
『シロウ!? 何を馬鹿な! そんなもの狙ってくださいと言っているようなものです!』
『いや、狙ってくださいって言ってるんだよ。実際』
『そんな、危険です!』
セイバーの訴えに、士郎は笑った。凛は厳しい目をし、慎
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