士郎くんの足跡(中)
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反しないけどな』
『……これだ。もういいよ、ライダー。オマエ、願いなんかアレしかないんだし、僕の願いも万能の聖杯なら片手間で足りるはずだ。遠坂は勝ちたいなら勝てばいい、衛宮は何も要らない。ムカつくからぶん殴る――それでいいだろ。僕は衛宮と組むぜ。コイツなんだかんだで頭もキレるからな、敵にしたくない』
『間桐君、本気?』
『ああ本気だよ遠坂。オマエも乗れ、さもなきゃ僕のライダーと、衛宮のセイバーで袋にするぜ。今のアーチャー、セイバーにやられて碌に戦えもしないんじゃないか?』
『うっわ……最悪……』
『言われてるぞ、慎二。人の弱味につけこむとか最低だな』
『オマエだろそれ!?』
『貴方達二人の事よ!』
凛の叫びに、少年達は顔を見合わせた。お前だろ、いやオマエだ。最悪のレッテルを擦り付け合い、そして笑い合った。
そうして三つの陣営が同盟を結んだのだ。セイバーは呟く。これは――可笑しな巡り合わせですね、と。自身のマスターへ微笑んだ。
教会に届け出に行かないのかと言う凛に、士郎は端的に切って捨てた。誰が行くか面倒くさい、と。聖杯戦争を辞めさせるんじゃなくて、監督する立場とかふざけんじゃない、というのが士郎の見方だった。戦争を幇助するような連中を士郎は蛇蝎の如く嫌った。聖杯戦争についての説明は凛からだけで充分だった。
三人で組む。ならまず誰から倒すか、という話になると、まずは敵の居場所を掴まねばならないという事になる。
翌日。士郎は霊体化できないセイバーを連れ、学校に平然と伴った。曰く編入する予定の留学生が、この学校へ下見に来たのだと。
帰路。士郎は凛と慎二を呼んでそれぞれの意見を言い合う事にした。ランサー、キャスター、アサシン、バーサーカー。この四騎を倒すなら、優先順位として慎二はランサーを、凛がキャスターを、士郎はアサシンを第一優先順位とするべきだと話し合った。
晩飯の買い物をしながらの話だ。微妙そうな顔の凛に、士郎は飯は大事だの一点張り。それに高校生三人が表だってこんな話をしていても、ゲームか何かの話にしか聞こえないから問題ないと断言した。確かにその通りなのだが、釈然としない凛である。慎二は軽く流していた。
『ランサーだろ普通。三騎士のクラスは強敵だ。セイバーとアーチャーが揃ってんなら、まずコイツを叩けば僕達とまともにやりあえる奴はいなくなるんじゃないか?』
『違うわね。確かにランサーは強敵よ。でも三人掛かりなら、強さじゃなくて厄介さで測るべきに決まってる。最優先はキャスターよ。陣地に引き込もって、力を蓄えたら何を仕出かすか分かったもんじゃないわ』
『お前ら馬鹿か。アサシンだ。気配が感じられないとか怖くて夜も眠れない。セイバーに添い寝してもらうとか俺は子供か』
『衛宮、オマエ……』
『衛宮君、マスター
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