士郎くんの足跡(前)
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簡単には行けなかった。不意に頭上から現れた槍兵の攻撃を、咄嗟に回避した拍子に、槍兵は嘆息して士郎を強化したポスターごと外へ弾き飛ばしたのだ。
勝てるわけがない。そんな事は百も承知だったが、士郎は諦めなかった。決死の覚悟で土蔵へ向けて逃げ出すも、蹴り飛ばされる。大きく吹き飛んだ士郎は、歪んだ土蔵の門を潜り、なんとか中に入る。
槍を突きつけられる。じゃあな小僧、意外と楽しめたぜ――そう言って、簡単に殺そうとしてくる男へ、士郎は激怒した。ふざけるな、こんな奴に、こんな所で殺されて堪るか!
その激しい感情の発露に、応える者が在った。召喚の陣が光り、槍兵が驚愕する。
『七人目のサーヴァントだと……!?』
そして、月下。槍兵を土蔵の外へ弾き返した蒼銀の少女騎士が、尻餅をついていた士郎へ振り返る。そして月明かりを背にした少女が己の運命へ問う。
『問おう――貴方が私のマスターか』
そう、衛宮士郎の運命は、ここで加速した。
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