鎮守府のバレンタイン事情〜オムニバス編・2019〜
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……何でもない///」
思わず赤くなった顔をトレーで隠す。顔が熱いのはブランデーを入れすぎた訳ではないだろう。思わず呟いてしまった言葉が恥ずかしくなった訳でもない。本当に私は何番目でもいいんだ。だって、
私にとっての一番は、揺るがないのだから。
〜朝潮の場合〜
「司令官、いらっしゃいますか!」
「おぉ、どうした朝潮?何か緊急の用事か?」
「いえ、今日はバレンタインデーですので、チョコをプレゼントに来ました!」
午後の演習も終わった頃、朝潮がそんな事を言いながらやって来た。執務室には今、俺一人だ。
「それでですね……あの」
「ん、何だ?」
「し、司令官!私と○ッキーゲームしてください!」
「ファっ!?」
ビックリしすぎて変な声が出た。見れば、朝潮の手には見覚えのある細長い箱。
「朝潮、お前ポッ○ーゲームがどういうもんか解ってるのか?」
「いえ……ただ、司令官は絶対知っているハズだから優しく教えてもらいなさいと言われて」
誰だそんなGJ……いやいや、けしからん事をしたのは。あの朝潮だぞ!?純粋と天然を絵に描いたような朝潮だぞ!?下手すりゃ真実を知ったら泣くまであるぞ!
「……誰に聞いた」
「い、言えませんっ」
「なら、教えることは出来ん」
「司令官……朝潮は、ポッキー○ームはお互いの理解を深め合う事の出来るゲームだと聞きました」
朝潮の大きな瞳に、涙が溜まっていく。
「司令官は……朝潮とは、仲良く、なりたく、無いのですか?」
あっ、コレあかん奴や。断ったら断ったで朝潮の心に疵残しちゃう奴や……えぇい、男は度胸!ケンペイ=サンに捕まったらその時はその時。潔く死んでやらぁ!(錯乱)
「わかった。……朝潮、ポッキーの端を咥えて前に突きだせ」
「んっ……こう、れひゅか?」
「……動くなよ?」
俺は朝潮の顔にそっと両手を添えて、ホールドする。と同時にポッ○ーの端からサクサクと食べ始める。
「! !? 〜〜〜〜っ////」
カッ、と目を見開いて驚いた様子の朝潮。みるみる内に赤くなっていき、身体はジタバタと暴れているが、顔は動かせない。段々とお互いの顔が近付き、そして……
「おっふ!?」
朝潮の右拳が、俺の鳩尾に突き刺さった。
「し、し、し、失礼しましたぁ〜〜〜〜〜〜っ!」
ソーラー・プレキサス・ブロー……上手くクリーンヒットさせれば一撃で呼吸困難にさえ出来るボディブロー。み、見事だ……。俺はそこで意識を手放した。
後日、半べその朝潮が謝りに来た。あれは俺も悪ノリが過ぎたし、お互い水に長そうという事になった。ただし、朝潮にいらん事を吹き込んだ荒
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