暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
オーディナル・スケール編
第270話 オーグマー
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傍で見てたらよーくわかるってもんだけどさ。 アスナの前でそれは不味いんじゃないの〜? 不健全だと思うしぃ〜」
「へ、変な事言うなよ! リズ! アスナからもなんか言ってやってくれ」
「ん〜……」

 いつものアスナなら、キリトの事を睨んだりするかもしれない。でも今回は違う。何が違うのかと言うと、キリトの相手が女の子ではなく、男の子。つまり、リュウキだからだ。別な女の子と一緒にいたり、それを考えてたり、リズのいう通り そんなことを考えて、頬を緩ませたりしてたら、鉄拳正妻がもれなく発動する事間違いなし。

「もうちょっとしたら、リュウキ君もレイと一緒に来てくれるかもだよ? だから、我慢だよ、キリトくんっ! 明日なら会えるって!」
「うぐぐっ…… あ、あすな……」

 両手をぐっ、と握ってそう告げる。まるで『ファイトっ!』 と言わんばかりに。
 まさかの援護射撃が誤射したのを見て、キリトは更にうなだれた。

「ふふふっ でも、リュウキさんもレイナさんちょっと残念ですね。折角の無料スイーツなのに」
「ポイントくれるのは結構頻度あるけど、無料スイーツ券ともなったらねぇ〜。ま、レイやリュウキの分まで、おいしく食べてあげるわよんっ! っと、レイにメッセージ送っておこっと」
「もー、リズ? レイをあまりからかってあげないでよ?」
「にっしし〜」

 リズはすっ、すっ、と操作しつつ……改めて、このデバイスの便利さに感嘆する。 
 耳に取り付けているイヤホン型の機械。それに手を当てながら続けた。

「ほんと便利より、コレ。どこでもテレビ見られるし、スマホよりナビは使いやすいし、メッセも使いやすい。天気予報は助かるし、なんつっても……」

 そこでひょこっとアスナの肩に小さな妖精が舞い降りた。現実世界では見られる事の出来ない光景だ。

「ユイちゃんとも喋れるしね?」
「はいっ!」

 ユイも嬉しそうに手を挙げた。
 アスナも同じくだ。こうやって現実世界で一緒にいられることの楽しさは、かけがえのないもの。それが最愛の娘であれば尚更。

「《オーグマー》ねぇ……」
「勿論、パパが作ってくれた《通信プローブ》も大好きですよ!」
「キリト君ったら。機械にやきもち妬いてる?」
「そ、そんなんじゃないって」

 キリトはその機械……次世代ウェアラブル・マルチデバイス、オーグマーを身に着けてはいなかった。まだ、しっくりこないというのがキリト自身の感想だ。
 仮想世界、VRの世界にハマり過ぎていた故に、現実拡張であるオーグマー、ARの世界にはやや疎外感を感じる様子だった。

「あっ、確か前の文化祭。お化け屋敷でつけてたのって、試験的に貸してもらったコレのプロトタイプなんだったっけ、そういえば」
「はい。リュウキお兄さんの
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