四話『情け容赦のないチュートリアル』
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かつて特殊クラス《ワールドチャンピオン》を決める大会で準優勝をしたときに貰ったワールドアイテムで、元の名は《無銘》
名前が遊んでいるのは課金して名称変更しただけで、能力としては《ワールドチャンピオンを除くキャラには、最低保証で相手の総ライフの1%ダメージを与える》というアイテムである。
たかが1%と侮るなかれ。
どんな固い敵にも、強制1%ダメージ保障ならば、100回斬れば、相手は死ぬのだから。
そして逆の手で掴んでいる盾は《癒しの盾》
能力はシンプルで、ギルド御用達の鍛冶屋に頼んで作ってもらった《癒し系上位の宝玉が詰まっている盾》
継戦能力に主眼を置いた盾で、握っているだけで一定時間ヒールが発動。しかもえげつない課金により時間をずらして回復が連続発動するため、趣味ビルドしているキャラでは、ほぼ突破不能。
最後に作ったのは《忍耐の兜》
これはユグドラシル内でも非常にレアな《最上位強化魔法》が込められた宝玉が複数はまっている兜で、被っている本人に、常に全種類の最上位ブースト魔法がかかるようになっている兜である。
………え、戦術がド汚いって?
だが待ってほしい。
オープンワールドで公式に許されているガチビルドをするのは合法では無いだろうか(言い訳)
………まあ正直、当然のごとく一人でこんな高価かつバランスブレイクな代物を作れる筈もなく、引退する友人から、リアルマネートレードまでして材料などは手に入れているのだが。
閑話休題。
(さて、ここからが問題だ)
武装を確認した玄人に応えるように、白一色の世界に赤い魔方陣が出現した。
その出現と同時に、戦闘態勢を取る玄人。
剣を抜き、盾を掲げて、彼はその魔方陣に警戒をしながら、先程思った事を反芻していた。
(自分の装備を返された事に、警戒心を抱かずにはいられなかった。)
白い袋から返された装備の意味を考えた時に、思い至ってしまった可能性。
もし俺を連れてきた存在が無意味なイベントを作らない奴ならば。
(俺の武装が『返された』ということは、『使う可能性がある』と考えた方がいい)
つまりは………
魔方陣が割れ、中から《一つ》の物体が飛び出す。
それは、奇妙な《モノ》だった。
中世ヨーロッパにあった服です、と言えば信じそうな布でできた旅人の服。
木でできたような茶色い靴。
毛皮の手袋。
三角帽子に、腰に差した二振りのレイピア。
それがまるで、『着ているように』浮いている。
まるで《透明人間が》着ているように浮いている『ソレ』を見て、彼は。
非常に奇怪な、その《モノ》を、親の仇のように睨みつけ、言った。
「正直さ、武具を返されてから《試練》っ
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