四話『情け容赦のないチュートリアル』
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じた苛立ちを、全力で拳で床に叩き込んだ。
瞬間、石畳が『撓んだ』。
まるでゴムのように、大きな石で組み上げた床が大きく凹むと……
そして、重低音を響かせながら拳を中心として衝撃波が迸る。
そしてその後に、『何事も無かったかのように』元に戻った。
『明らかに人知を超えた』その現象。
それも見たことで、沸騰しかけた頭が、急激に冷えた。
「………まあいい。まだ一つあるしな」
正直、目の前に『救い』を差し出しておいて触れさせないという『ゲームマスター(仮称)』には言いたい事が山ほどあったが、仕方がない。
ウンザリした心を引きずり、前二つと同様、警戒しながら宝箱を開いた。
そこには、奇妙な物体があった。
三つの宝玉の嵌った、白い燭台。
自身のギルドのものでも無ければ、ある程度『ユグドラシル』の上位アイテム知識に習熟した自身の記憶にも無い、そのアイテム。
そのアイテムを前に少々悩むも、思いなおし一つ目の宝箱と同様に上蓋の内側を見た。
そこにも、短く一文が。
『これは、試練のカギ。《3つの敵》を砕いた先に、道は開かれる。左から順にクリアせよ』
彼は無言で、盾を装着した左手で、その燭台を掴む。
そして、中身を持ち上げて空になった箱を、宙に蹴り上げた。
「………神様気取りかよ!」
金属にぶつかる鈍い音と共に、持ち上がる一メートル四方の箱に背を向け、漏れる怒りの声と共に、彼は燭台をそっと、逆の石畳に置いた。
同時に、先程手に入れた袋をまさぐる。
怒りはまだある。
だがそれに気を取られ、準備を怠るのは彼の信条に反した。
指輪、ネックレス等のアクセサリもすべて付ける。
そして、いわゆる《ベスト装備》を身に着けた玄人は、その《命令》通りにその左端の宝玉に、触れた。
視界が、暗転した。
次に玄人が意識を取り戻した時、彼は真っ白な空間に一人立っていた。
それに気づくと同時に、彼は武装を確認した。
彼が好んで使う鎧である《決闘者の鎧》
白を基調とし、鎧の縁には赤いライン、胸には赤い宝玉。後ろにはギルドマークが入っている《ギルド武器》。
能力は《回復+即死系魔法の禁止》
この鎧を纏っている限り、破魔、呪殺の区別なく相手は即死呪文が使えず、同時に自身も使用が出来なくなる。
《自身も使用不可》という縛りによって成立した、防御系のガチアイテム。
かつてアパートの兄貴分達にもらったゲームの一つである〇ガテン系で即死系アイテムに散々な目に遭わされた玄人が切望した武具。
次いで武具である《覇王聖魔剣777号》
ぶっちゃけ名前を見ると《ネタ武器》に見えるが、れっきとしたガチ武器である。
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