第81話
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後に、セントアークを含めたメンフィル帝国側のサザ―ラントを統括している当時のメンフィル帝国政府の統括領主の耳にも入り、叔父と結託した貴族も手を引き…………厳正かつ厳格な裁きが行われ、叔父には極刑が下りました。
代償として―――私は”家族”と”故郷”を失いました。…………取り戻した会社の経営権を古株の社員の方に譲渡したんです。閣下に勧められた帝都近郊にある皇族ゆかりの伝統的な士官学校…………”トールズ士官学院”に入学するために。」
「…………クレアさん…………―――やっとわかりました。貴女がどうしてオズボーン宰相を信頼して、従っているのか。そしてどうして時折、哀しそうな目をしていたのかを。」
クレア少佐の過去を聞き終えたリィンは複雑そうな表情でクレア少佐を見つめた。
「…………っ…………」
「ミハイル少佐も…………クレアさんが心配なんですね?厳しい言葉は多いですが…………貴女を間違いなく気遣っていた。」
「…………はい。お互い鉄道警察隊に入ったことは偶然でしたけど…………先輩として、同僚としていつも助けられています。…………ですが私にその価値があるとは思えないんです。憎悪に取り憑かれ、一切の慈悲もなく叔父を極刑に追いやった…………10年前、大好きだった叔母さんや兄さん、従妹の子は私を罵りました。それだけのことをしたし、…………今でも憎まれていると思います。」
「――――そんな事はないと思います。」
自分に対する自虐の言葉を口にしていたクレア少佐だったがリィンがふと呟いた言葉が気になり、振り向いてリィンを見つめた。
「少なくとも今のミハイル少佐は貴女のことを本気で心配していました。貴女をよく知る人は…………サラさんのように反発していたとしても感謝しているし、嫌うなんてできない。ミリアムや、レクター少佐も。リーゼアリアやリーゼロッテ殿下、そしてアルフィンも…………旧Z組や特務部隊のみんなや…………もちろん俺もです。」
「…………リィン、さん…………」
リィンの指摘に胸を打たれたクレア少佐は思わず涙を流した。
「ふふ、駄目ですね。…………白状すると貴方のことを弟と重ねることがありました。」
「…………弟さんの名前は?」
「”エミル”といいます。…………生きていたらちょうど貴方と同い歳だったんですよ?」
リィンの問いかけに答えたクレア少佐はリィンを抱き締めた後なんとリィンの頬にキスをした!
「…………ぁ…………」
(リ、リィン様…………一晩で二人もの女性からキスをしてもらうだなんて、エリゼ様達に知られたらとんでもない事になると思いますわよ…………?)
(というか私は少なくてもベルフェゴール達にはバレていると思うのだけど…………二人の事だ
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