第81話
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ィンは外に誰かいることに気づくとそれを確かめるために列車から出ると意外な人物達が会話をしていた。
〜演習地〜
「…………いい加減にしろ、クレア。閣下に目をかけられてるとはいえ今日のような行動は首を絞めるだけだぞ?」
リィンが外に出ると何とミハイル少佐がクレア少佐に注意をしていた。
「…………兄さんにはわかりません。」
「…………っ…………!?」
ミハイル少佐の注意をクレア少佐が静かに否定すると、二人を見て部外者である自身が聞いて良い話では無い事を悟ったリィンはその場から下がろうとしたが、運悪く靴が砂利を踏んだ為、足音が二人に聞こえた。
「「誰だ(です)…………!?」」
足音を聞いた二人は血相を変えてリィンを睨み
「(迂闊だったな…………)―――すみません。聞くつもりでは…………」
二人に睨まれたリィンは気まずそうな表情で謝罪して二人に近づいた。
「リィンさん…………」
「シュバルツァー…………くっ、盗み聞きとは感心しないぞ。―――忠告はした。せめて自分で考えるがいい。これ以上、10年前に囚われ続けるべきかどうか。」
「…………っ…………」
クレア少佐への忠告をしたミハイル少佐はその場から去り、列車の中へと入って行った。
「……………………」
「…………すみません。夜風に当たろうとしたんですが。その、明日は早いですし俺も列車に戻って休みます。」
「…………リィンさん。少しだけ…………ほんの少し、付き合っていただけませんか?いつかリィンさんには知ってもらおうと思っていた話―――…………今なら、月明かりの力を借りてお話しできると思うので。」
「――――わかりました。ぜひ、聞かせてください。」
リィンもその場から去ろうとした自分を呼び止めたがクレア少佐のただならぬ雰囲気を見て、クレア少佐の話を聞くことにした。
「彼は…………アーヴィング少佐は私の親戚なんです。旧姓、ミハイル・リーヴェルト―――私の従兄になります。」
「従兄…………そうだったんですか。個人的に関係がありそうとは何となく思っていましたが…………」
「ふふ…………でも”兄さん”は10年前にリーヴェルトの名を捨てました。叔母様の―――母方の性に変えたんです。彼の父を、私の家族を奪った叔父を私が処刑台へと送り込んだ時から。」
「……………………え。」
クレア少佐の口から語られた驚愕の事実にリィンは一瞬呆けた後呆けた声を出した。そしてクレア少佐は自身の過去について話し始めた。
…………知っているかもしれませんが私の家は”リーヴェルト社”―――元々、セントアーク市にあった楽器メーカーとして知られている会社を営んでいました。私の父が社長で、叔父が副社長…………経営は堅実な
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