第81話
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のダンディな人だった。思えば、あたしが猟兵をやることに最初から最後まで良い顔をしなくて…………最後にそんな言葉を遺してあたしの腕の中で逝ってしまった。
あたしは絶叫して意識を失い…………気がついたらエレボニア軍のキャンプで手当てを受けていた。」
「…………それがベアトリクス教官の医療大隊だったんですね?」
「ええ、辺境での猟兵同士の戦いの被害を確認するために来ていたみたい。少尉だった頃のナイトハルト中佐やヴァンダールのミュラー中佐もいたわね。
―――そして戦闘がとっくに終結し、仲間達が故郷に引き上げたと聞いて…………あたしはロクにお礼も言わずにキャンプから飛び出して故郷へ戻った。…………帰郷したあたしを迎えたのは戦友や街の人達の温かい言葉だった。父を失ったものの”戦争”には勝利し、大貴族から莫大なミラが支払われたの。―――これでこの冬は餓死者を出さずに済むだろう…………そんな話を聞いて、あたしは安堵しながら何故だか涙が止まらなかった。…………貧困に喘ぐ故郷のため、罪もない外国の人達や土地を血と硝煙に塗れさせる…………そんな欺瞞がどうしようもなく痛く、ただ哀しかった。そうしてあたしは猟兵を辞め、生まれ故郷を離れることにした。
…………戦闘技術を活かせて、A級になればそこそこ稼げるっていう遊撃士になって…………せめて血が付いていないミラをノーザンブリアに送るために。」
「…………やっとわかりました。本当の意味での、サラさんの強さと優しさの原点を。」
サラの過去を聞き終えたリィンは静かな表情で答えた。
「全然強くないし、優しくもないわ。でも少しずつだけど近づけているとは信じている。父で、上官で、初恋の人で…………あたしが大好きだったあの人にね。」
「サラさん…………はは…………でも納得です。それはサラさんの趣味が渋い男性になるわけですよね。」
「ふふ、ファザコンをこじらせてるのは自覚してるけどね。―――ま、最近じゃ若い子にときめかないわけじゃないけど。」
「え。」
ウインクをしたサラの言葉にリィンが呆けたその時サラはリィンを自分の方へと抱き寄せてリィンの頬にキスをした。
「…………ぁ…………」
(ええっ!?)
(あら。)
サラの行動にリィンが呆けている中メサイアとアイドスはそれぞれ驚いていた。
「喋りすぎちゃった…………君、タラシの素質があるから反省しなさい。それじゃあおやすみ。―――いい夢をね。」
そしてサラはその場から立ち去り
(………夢じゃない、よな。……………………はは、まあいいか。夏至祭前の夜……………妖精に化かされたと思っておこう。)
リィンはサラにキスをされた頬を手で押さえて呆けた後気を取り直してその場から立ち去った。その後リ
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