暁 〜小説投稿サイト〜
天体の破壊者
Garbage to the garbage box.
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 途端、エンブリヲの腹部が大きく凹み、陥没し、内臓が破裂し、吐血する。
 後方に吹き飛び、大地を抉り、砂利まみれとなり、その肉体を破壊されていく。
 見渡す限りの大地が更地を抉り、即座に復活を遂げたエンブリヲが呆然とした様子で佇んでいた。

 この場からの逃亡を図るエンブリヲの手を掴み取り、膨張死させる。
 醜い嬌声を上げるエンブリヲの姿は体内から膨大なエネルギーが溢れ、爆散した。

 血液が、内臓が、四肢が醜く周囲に飛び散る。
 エンブリヲの足が無残に地面に落ち、肘から先の腕が血のカーテンと共に転がった。

 時空が歪み、エンブリヲが鉄屑の姿が虚空へと掻き消える。
 アンジュ達が気付いた時にはエンブリヲはこの場からの逃走に成功していた。



「逃げましたか」
「推測の域を出ませんが、エンブリヲは此処とは異なる時空へと跳躍したのですわ」

 サラマンディーネの予測は的を得ており、サラマンディーネ達が住む"もう一つの地球"とは異なる次元へと逃亡していた。



「さて、それでは出かけましょうか」
「は?」

 それは誰の呆けた声であったのか、分からない。

「エンブリヲの花火を見にですよ」
「……は?」

 二度目の呆けた声がその場に響いた。

 既に、エンブリヲの逃げ隠れた座標は特定している。
 例え、此処とは異なる位相に存在する世界であろうとも、この世界に存在しているのであれば問題なく特定が可能だ。

 座標を特定し、強制的に次元に穴を開け、ウィスは飛翔していく。
 白銀の光を伴いながら位相を移動し、アンジュ達を乗せたキューブと共に移動する。

 終始圧倒されるアンジュ達を引き連れ、ウィスはエンブリヲに引導を渡すべく、"時空の狭間"へと飛翔していく。
 エンブリヲの死は刻一刻と迫っていた。







?







 エンブリヲ

 その正体は約1000年の時を生きた傑物であり、世界最高峰の素粒子研究所であるオリジナルのアルゼナルの研究員である。

 エンブリヲは新たな世界を求め、有人次元観測機ラグナメイルの開発を皮切りに別世界への進出へと行動を開始する。
 しかし、ラグナメイル「ヒステリカ」に機乗の最中に発生した局地的インフレーションによりシステムが暴走し、別次元の位相に存在する時空の狭間に飛ばされてしまう。

 時空の狭間

 時空の狭間にて無限の時間を手に入れ、不老不死となったエンブリヲはラグナメイルによる別世界への干渉と理想の妻探しを始めることになる。

 時空の狭間は時の流れが完全に停止した世界であり、全宇宙から孤立し、特異点でも辿り着くことが不可能な場所である。

 本来ならば時空跳躍システムが開放され
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