Garbage to the garbage box.
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《ゲート》を潜り抜け、ウィスは平行世界の地球へと足を踏み入れていた。
平伏の姿勢を取りながら、ウィスはアウラの民の指導者と対面する。
「貴方が我ら一族の大願を叶えると?」
ウィスは首肯する。
「本当に始祖アウラ奪還に加え、エンブリヲを撃ち滅ぼすと?」
「ええ、私はエンブリヲを消し、貴方達はアウラ奪還だけでなく、長きに渡る争いに終止符を打つことが出来る。win-winの関係ではありませんか?」
ウィスはどこまでも泰然自若とした態度で応える。
「……」
正直なところ、大巫女は迷っていた。
嘘を吐いているようには見えない。
ましてや此方を謀ろうとしているようにも見えない。
仮にウィスが述べていることが真実ならば、win-winの関係だ。
だが、初見の相手と同盟を築くには如何せん決定打に欠ける。
「大巫女様、ここはこの者を試すようというのはどうでしょうか?」
そこに口を挟むは一人の女性
近衛中将を務める巫女姫であり、アウラの末裔にしてフレイヤの一族の姫、サラマンディーネだ。
「サラマンディーネよ、この者を"試す"とは?」
「この者が我々の大願を成就させるに相応しい力を有しているかどうかを確認すべく、試練を与えることが最善かと」
「成程……」
サラマンディーネの申し出は可決され、試練という名の無理難題がウィスに課されることが決断される。
ウィスに課された試練は人の身では解決が不可能なモノばかり
しかし、ウィスはその無理難題をこともなく突破し、同盟を結ぶことに成功する。
信用を得たウィスは偽りの地球に帰還すべく、飛翔する。
その背中に大巫女を、サラマンディーネ、ナーガとカナメを引き連れ、光速で門を潜り抜けた。
眼下の地上では嘗ての人類の営みが栄え、生命力が溢れている。
緑が生い茂り、どこまでも広大な大地が広がっていた。
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一条の閃光が白銀の光と共に地上へと降り立つ。
眼前には紅茶で喉を潤し、足を組んだ長身の男が此方を歓迎していた。
「これはこれは、顔馴染みの方々がお揃いで」
その男は前髪を揺らし、嫌悪感を抱く笑顔でウィスを見つめる。
ウィスの背後に佇むアンジュとジル、タスク、サラマンディーネ一行には見向きもしない。
「ようこそ、異世界の住人、ウィスよ」
「貴方がエンブリヲですね?」
「いかにも」
エンブリヲは自分に酔っていると感じざるを得ない芝居がかった様子で腕を広げる。
「君と出会うのを心待ちにしていたよ」
憎々し気にエンブリヲを射抜くジルを腕で押さえつけ、ウィスは言葉を紡ぐ。
「初対面
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