Garbage to the garbage box.
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が聞こえる。
止めろ、止めてくれ……!
「アレクトラ・マリア・フォン・レーヴェンヘルツ、これが貴方の本当の名前ですか」
ジルの意志に反して、彼女の身体はその場から一歩も動くことはない。
「そして、この世界を裏から支配するは"エンブリヲ"なるモノの存在……」
言い逃れは許さないとばかりにウィスの紅き瞳がジルを見据える。
これ以上の私の過去を、心を覗かないでくれ……!
「貴方とエンブリヲとの因縁……」
ウィスは盛大に大きな溜息を吐き、ジルを解放する。
ジルは精根尽きたように崩れ落ち、大量に汗を流す。
「何ともまぁ、腐った世界ですね」
放心し、突如の急展開に理解が追い付かない周囲の人間を無視し、ウィスは決断を下した。
「決めましたよ」
「エンブリヲを滅ぼしましょう」
この言葉がこの世界の運命を大いに左右する。
そして、ジルとの一方的な交渉を終えた瞬間、門が開き、ドラゴン達による侵攻が開始された。
?
スクーナー級やガレオン級、ブリッグ級を含んだ多種多様なドラゴンから門から姿を現す。
しかし、ドラゴン達は皆一様に異常を感じ取っていた。
普段ならば偽りの地球の人間達が攻撃を仕掛けてくる頃合いにも関わらず、今日は怖ろしい程に静かだ。
見渡す限りの青空が広がり、此方の侵攻を阻む者など存在しない。
「お取り組み中のところ、失礼します」
突如、宙を飛翔するドラゴン達の耳に敵である人間の言葉が響く。
見れば珍妙な魔導士の如く服装に身を包み、杖を手にした男が宙に浮いていた。
「早速、本題に入らせていただきますが、貴方達の本拠地へと案内してくれませんか?」
「此方はエンブリヲを消す前に貴方達に"私"という戦力を提供し、貴方達はそちらの願望を私に周知させることでお互いに益を得る。私はエンブリヲの抹殺を、貴方達は貴方達の望みを叶える。win-winの関係というやつですよ」
簡潔に此方の事情と望みを話したつもりだが、相手からの反応は芳しくない。
どうやら人語は通じていないようだ。
「ふむ……」
軽く咳払いしたウィスは人語でない言葉を口ずさみ、ドラゴンとの意思疎通を図る。
交渉が続くこと数分、漸くウィスの主張が聞き入れられ、ドラゴンと共に門へと姿を消えていった。
地上からウィスとドラゴン達の遣り取りを見ていたジル達は呆然と門が閉じるのを見上げることしか出来なかった。
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|門
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