暁 〜小説投稿サイト〜
天体の破壊者
Garbage to the garbage box.
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皇女は傲慢にも欲した。
 母を死から救う存在を

 アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギは生まれて初めて心の底から求めた。
 世界で万能とされ、絶対の象徴であるマナではなく、母を救う超常の力を
 思想や固定観念、世界の掟を捨て、ただ純粋に愛する母を救う存在を切望した。


この世界、この世界でなくとも構わない

誰でも構わない、母を助けて……!


 一人の少女の望みは、愛する者を救いたいという儚くも、何よりも美しい想いは――

 哀れな少女が願い、傲慢にも求めた求めは――



 奇しくもその声は聞き入れられた。







- その願い、叶えましょう -







 瞬間、黄金の輝きがドーム状に広がり、ミスルギ皇国全土を震撼させた。
 その光は瞬く間に皇国全土を包み込み、世界の果てに行き届く。

 惑星を、世界そのものを震撼させ、極光は天へと立ち昇る。
 視認できる程のエネルギーが現れ、アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギの願いは聞き入れられた。
 
 膨大な光の本流が集束し、人の形を創り出していく。
 光の粒子が、光の糸が集まり、集束していく。

 極光から現れるは首元にリングを下げ、珍妙な杖を有する長身の男性
 周囲の誰もが驚愕するなか、その者は静かに地面に降り立った。



「私を呼んだ(・・・)のは貴方ですか?」
   
 髪は黒にして、瞳の色は真紅
 端正な顔立ちから伺えるは慈しみと温もり

 その佇まいは洗練され、その身からは今なお光の粒子を放出している。
 ()の者は宙に浮遊し、アンジュだけを見据えていた。

「母を、私の母を助けてください……!」

 アンジュは縋り付くように、突如として現れた男性に懇願する。
 光り輝く存在、ウィスは慈しむように微笑を浮かべ、杖を振るった。



 

 その後、一人の少女の求めにウィスは応えた。
 死したソフィア・斑鳩・ミスルギを蘇生させ、シルヴィア・斑鳩・ミスルギ及びジュライ・飛鳥・ミスルギを抱え込む。

 その後、ウィスがジュリオ・飛鳥・ミスルギを除いたアンジュ一家を引き連れ、杖を地面へと軽く打ち鳴らす。
 
 途端、眩いまでの白銀の光が周囲に迸る。
 
 その光はウィス達の周囲を円を描くように循環し、包み込み、その輝きを強く増していく。
 白銀の光は強く迸り、幾度も循環し、周囲を幻想的に照らし出す。
 
 やがてその白銀の光は途轍もない速度で天へと上昇し、ミスルギ皇国から突如として消え失せた。 
 次なる目的地は"アルゼナル"





 此処よりこの世界は正史のレールを外れ、異分子を内包した歴史を紡いでいくことになる。
 行きつ
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