第四十一幕:しあわせななつの虹
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俺は恥ずかしくて、七夏ちゃんの顔を見れずにいた。
七夏「夢・・・」
時崎「え!?」
七夏「夢を、見ました。大きな虹が架かってて・・・一緒に見ていたのは、誰だったのか思い出せなくて・・・」
今、七夏ちゃんに色々と考えさせるのは良くない。それよりも、虹の色の事まで話し始められるのが怖かった。
時崎「七夏ちゃん!」
七夏「はい☆」
時崎「喉、乾かない?」
七夏「はい♪」
時崎「ちょっと待ってて! 飲み物、持って来るから?」
七夏「ありがとうです☆」
1階へ急ぐ。
時崎「凪咲さん!」
凪咲「柚樹君、さっきはごめんなさいね」
時崎「いえ。七夏ちゃんの熱が引いたみたいで、何か飲み物をお願いできますか?」
凪咲「まあ! 良かった。飲み物、すぐに用意しますから」
時崎「ありがとうございます!」
凪咲さんは、お茶と、切ったりんごを用意してくれた。
凪咲「柚樹君、七夏の事。お願いします」
時崎「はい。ありがとうございます!」
時崎「七夏ちゃん!」
七夏「はい。どうぞです」
時崎「飲み物とりんごを持ってきたよ」
七夏「くすっ☆ ありがとうです♪」
お茶とりんごを頂く七夏ちゃんを見て、もう大丈夫だと思うと、一気に疲れが襲ってきた。
七夏「ん・・・冷たくて美味しいです♪」
時崎「良かった」
七夏「柚樹さんも、食べませんか?」
時崎「え!?」
七夏「りんご・・・こんなに沢山は・・・」
時崎「じゃ、一緒に頂くよ!」
七夏「くすっ☆」
時崎「んー冷たくて美味しい!」
七夏「はい☆ あ!」
時崎「どうしたの?」
七夏「雨・・・降ってたの?」
時崎「え!? ああ、そうみたい」
七夏「柚樹さん、さっきは、ごめんなさい」
時崎「え!?」
七夏「私、我侭だったから・・・」
時崎「俺も楽しみにしてたから、七夏ちゃんの気持ちは凄く分かるよ」
七夏「夢を、見ました」
時崎「え!?」
七夏「さっきの続きですけど、夢なら思い通りに描けます☆」
時崎「思い通りに!?」
七夏「はい☆ 夢は自分で描ける世界だから、夢の中の虹はきっと・・・」
時崎「『夢は自分で描ける世界』・・・なんか、七夏ちゃんの言葉じゃないみたいだけど」
七夏「え!? くすっ☆」
時崎「???」
七夏「お父さんの言葉・・・借りました☆」
時崎「直弥さんの言葉か。なるほど、良い言葉だね!」
七夏「はい☆」
七夏ちゃんが虹をどのように思っているのかは、まだなんとなくしか分からない。けど、七夏ちゃんは虹に対しての考えを変えようとしている事だけは分かる。
七夏「雨が上がって、虹が見えています☆」
時崎「え!? 虹!?」
俺は、反射的に窓の外を見てしまう。けど、雨は上がっているけど、虹は見
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