第四十一幕:しあわせななつの虹
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若い凪咲さんと七夏ちゃんが重なってしまった。
時崎「い、いや、なんでもない! おはよう! 七夏ちゃん!」
七夏「くすっ☆ 今日、とっても楽しみです☆ 」
時崎「あ、ああ! 俺も!」
七夏「はい☆ 私、急いで宿題終わらせます☆」
時崎「俺もアルバム作り、頑張るよ! 宿題で分からない事があったら聞いて。分かる範囲なら答えられるかも知れないから」
七夏「ありがとです☆ 頼りにしてます☆」
少し、七夏ちゃんの頬が赤くなっているような気がしたけど、照れてくれているのだろうか。気のせいかも知れない。七夏ちゃんの事が気になり過ぎて自意識過剰にならないよう、気を付けなければならないな。
凪咲「おはようございます!」
時崎「凪咲さん、おはようございます」
凪咲「柚樹君、どうぞこちらへ」
七夏「おはようです☆ 遅くなってごめんなさい」
凪咲「いいのよ。二人がいつものようになってくれて嬉しいわ。七夏も柚樹君と一緒に♪」
七夏「はい☆」
昨日、凪咲さんに、七夏ちゃんと仲直り出来た事は話しだけど、凪咲さん自身はもう少し時間が掛かると思っていた様子で驚いていた。
凪咲「まあ! 今日は七夏と水族館へデートなの?」
時崎「はい! 七夏ちゃんと一緒にいいでしょうか?」
七夏「あっ!」
凪咲「もちろんいいわよ! ありがとう♪ 柚樹君!」
時崎「ありがとうございます!」
七夏「・・・・・」
七夏ちゃんと、一緒に食事を頂く。俺は昨日、七夏ちゃんに「お帰り」って話したけど、それは七夏ちゃんだけではなく、今、こうしていつものような風水の日常に対しても「お帰りなさい」なのだと思う。「あたり前の事」が、いつまでその状態を保ってくれるかなんて分からない。だからこそ、この一時をひとつひとつ大切に想いたい。
七夏「? 柚樹さん? どうしたの?」
時崎「え!?」
七夏「お食事、あまり進んでないみたいです」
時崎「あ、ごめん。ちょっと考え事」
そう話してきた七夏ちゃんは、まだ少し頬が赤い気がした。
七夏ちゃんは、自分の事以上に相手の事をよく見ている。でも、必要以上に声は掛けて来ないから「言われる」という事は、ある域値を超えているのだろう。俺も、七夏ちゃんの事をもっと気に掛けてあげたい。
七夏「・・・・・」
時崎「・・・・・」
七夏ちゃんの瞳が澄んだ翠碧色になり、頬はより赤くなった。頬の色に関しては多分、今の俺も同じかも知れない。
七夏「・・・えっと、おかわり、ありますので・・・」
時崎「あ、ああ」
もう一度、この、なんとも言えない「こそばゆい朝食」を取り戻せた事を嬉しく、大切に想う。距離を取る事の意味を噛みしめた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
朝食を済ませ、七夏ちゃんは宿題を行っている。俺
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