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翠碧色の虹
第四十一幕:しあわせななつの虹
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ここは民宿風水。いつもの日常、大切な場所。

時崎「あれは・・・七夏ちゃん?」

七夏ちゃんは、庭で洗濯物を干している。とても慣れた手付きで手際が良い。手伝おうかと思ったけど、もう少しこのまま眺めていたい。

七夏ちゃんは、俺の方へと近づいて来たけど、俺に気付く様子はなく・・・ん!?

何か違和感を覚える。もっとよく目を凝らして見ると、七夏ちゃんでは無い!? 凪咲さん!? でも、とても若くて七夏ちゃんにそっくりだ。

凪咲さんは、さらに洗濯物を干してゆくけど、途中で手が止まった。その手を額にかざして空を見上げている。そして、側にあった「ゆりかご」から大切に何かを抱きしめ、再び空を見上げる。

凪咲「七夏、見て! 虹!」
七夏「・・・・・」
凪咲「綺麗ね・・・って、まだ分からないかしら?」
七夏「・・・・・」

七夏ちゃん!? とても幼いみたいだけど・・・。
凪咲さんは、七夏ちゃんに微笑んでいる。

凪咲「でも、いつか、きっと・・・一緒に♪」
七夏「・・・・・」

凪咲さんに揺られながら、幼い七夏ちゃんは目を開ける。その瞳の色は翠碧色のままで変化せず、空に掛かる大きな虹がふたつ、映り込んでいた。

時崎「な、七夏ちゃんっ!!!」

はっ! ・・・ゆ、夢!?
・・・なんでこんな夢を見たんだ?

<<七夏「昔ね、お母さんと一緒に見た虹は、七色だったような気がして・・・でも、はっきりと覚えてなくて・・・」>>

時崎「・・・・・」

<<凪咲「七夏が5、6歳の頃かしら・・・ほのかに瞳の色が変わるように見えてきて・・・」>>

七夏ちゃんの魅力的な「ふたつの虹」。だけど、その引き換えとして、虹の七色を失ったとすると・・・。俺は「ふたつの虹」を失っても、七夏ちゃんに、七色の虹を見せる事ができるなら、迷わずそっちを選ぶ。そんな方法があるのならば・・・。
瞳の色が変わらず、虹が七色に見える人。いわゆる普通の人・・・普通・・・つい、こんな言葉を使ってしまう。

時崎「何が普通だ!? 七夏ちゃんだって普通の女の子じゃないか!?」

いや、俺にとっては普通ではなく大切な・・・。
そこまで思って、この想いが届くのかは、これからの俺次第だ。
相手の事を想って、喜んでもらおうと意識しても、少しの事が引き金になり、思うようにならなくなる事が結構あった。これから先も、そのような事が起こると思う。だけど、それを乗り越える事が「より強い想い」へとなるのかも知れない。

布団から出て、1階へ降りようと部屋を出る。

七夏「柚樹さん、おはようです☆」
時崎「なぎ、な、七夏ちゃん!?」
七夏「!?」

ほぼ同時に七夏ちゃんも部屋から出てきて声を掛けてくれたけど、夢で見た
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