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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica32とある片想いのお話〜Scrya's Love〜
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体を擦りながら暴走。その間にもヴィスタは、セレネとエオスを気遣って車から脱出させていた。
「アレクさん!」「サムさん!」
街路樹に突っ込んで止まって、エンジンルームから白煙を上げてる車へと駆け寄ろうとしたセレネとエオスだけど、ヴィスタが2人の腕を取ってそれを制止した。2人は痛がったから「その手を離せ!」僕はフープバインドを発動させて、ヴィスタを直立不動の状態で拘束した。自由になった2人は、ふらふらとドアを開けて出てきたトゥディ先生たちに駆け寄った。
「(僕には逮捕権は無いけど・・・)時空管理局、ユーノ・スクライアです! 抵抗せずにそのまま投降してください!」
ヴィスタは首を横に小さく振ると、バインドをまるで紙テープのように簡単に引き千切った。そしてセレネ達へと体を向けて、「セレネ、エオス。あなた達のためなの」と優しい声色でそう言って、仮面と目出し帽を外した。
「「「フィヨルツェンさん・・・!?」」」
「久しぶりですね、ユーノ、セレネ、エオス。わたくしのことを憶えていてくれて嬉しいですよ」
――フィヨルツェンさん。また逢える?――
――ええ。いつかまた、わたくしと遭えるでしょう――
ブラウンの髪に真っ赤な瞳、耳に優しい声。幼少時、僕たちスクライア一族に付いて回っていた、僕たちにとってお姉さんとも言える女性、フィヨルツェンさん。10年以上ぶりの再会だ。でも・・・。
「こんな形で“逢”いたくなかったです」
「いいえ。きっとこういう形で“遭”うと思っていました。わたくしがエグリゴリであり、あなた達がセインテストの関係者である以上は」
フィヨルツェンさんは右手に美術品のような、黄金に輝く大弓を展開すると、トンッと地を蹴ってセレネ達の元へ突進した。フィヨルツェンさんが最後の大隊の一員としてここに姿を見せた以上、ターゲットがこの場に居る。さらに言えばセレネとエオスのすぐ側に。
「アレジアンス、ヴァリアンス。セットアップ!」
「グロリアス、グラヴィタス。セットアップ!」
2人はリボルバー拳銃型ストレージデバイスを両手に展開して、「止まって!」と銃口をフィヨルツェンさんへと向けた。4つの銃口を向けられたフィヨルツェンさんは急停止。“エグリゴリ”である以上、彼女に魔法は通じない。だからどれだけ2人の魔法攻撃を向けても無傷で済むはずなのに・・・。
「セレネ、エオス! ダメだ!」
僕はセレネとエオスとヴィスタとの間に割って入って、「解かっているんだろう? 大隊が狙っているのは・・・!」2人の後ろに居るトゥディ先生とギア先生を見る。大隊に狙われて殺されるだけの罪を犯している。ホテルで聞いた罪状には僕も反吐が出るようなものだった。それをあのお2人が犯しているなんて信じられない、信じたく
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