暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica32とある片想いのお話〜Scrya's Love〜
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が伝えてくれるそうだ。セレネ達との念話を終えて、大隊が今なにをしているのかが気になった僕は、ガラス張りの手すりの上に登って、そこから吹き抜けとなっている階下を覗き込む。

「っ!!」

そこは真っ赤に染まったロビーだった。死体は5体で、考古学会に所属してる学士と教授、あと見覚えのない老人と青年と女性。大隊のメンバーの証である仮面を付けた男女ペアが1組。

「残りのターゲットは?」

「同志ヴィスタが向かっているわ」

「そうか。しかし同志ヴィスタが犯罪者狩りに参加するなんて、今回のターゲットはよほどの悪なんだろうな」

「これまでに何人もの女性を騙しては捨ててきた男たちだそうよ。被害女性の中には自殺に追い込まれた人もいるって話よ」

「そりゃ殺されても文句はねぇよな」

「ええ、まったく。私が殺してやりたいほどのクズよ」

断罪のターゲットはまだ残っているようで、しかも仮面持ちがこの場から動かないとなると、ここでの合流はかえってまずい気がする。だからすぐに『セレネ、エオス! こっちはダメだ! 合流場所を変えよう!』って念話で伝える。

『あ、今わたし達、地下駐車場へ向かってる!』

『えっと・・・Bの32だって! 車で逃げるって言ってるの!』

『(避難するためとは言え車でホテルから離れるのは、あとあと管理局からの事情聴取などで手間が掛かるんじゃ・・・?)・・・判った、とりあえず僕も急いでそっちに向かうよ!』

罪のない一般人は殺されない。それを解かっていても見つからないように、慎重に動いてしまう。小動物形態になったのは正解みたいだ。仮面持ちの視界に入らないように廊下の端っこを駆け抜けて、地下の駐車場を目指す。

「学者って、頭が良くても人格に問題がある人ばかりですね」

「ああいう連中は、歴史に名前を残してナンボだからな。必死になるのさ、学者同士で潰し合ってでもな」

「だからって研究を盗んだり買ったり、果てには殺したりするんですか? 僕には解からない世界ですよ」

「ま、それも一部なんだろうけどな。どっちにしろ名声を残そうとする奴は頭がおかしいんだよ」

別の仮面持ち達がそう話しているのを聞きながら、なんとかホテルの1階まで降りてこられた。警備員や従業員はバインドで拘束されていて、眠らされたのか静かに寝息を立てている。エントランスには仮面持ちは居ない。脱出するなら今だ。外へと通じる自動ドアの前に立つけど・・・。

(あ! 人間じゃないから反応しない!)

ガーン!と自分の間抜けさにショックを受けていると、ゾクッと背筋に悪寒が走った僕はすぐさまその場から離れる。受付の陰に隠れて、ホテルから出て行く女性仮面持ちの後を追う。外に出られたら後は問題ない。

「えっと、地下駐車場の
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