聖杯のキミ達とエミヤなオレ達
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は、普通はサーヴァントからだ。が、どうにも二人ほど混乱しているように見える。明らかにイレギュラーが発生しているようなのだから、こちらから語り掛けるべきだろう。
「だがその前に、君達はどんな状況か把握できているか?」
『このスルーぢから、ただ者じゃありませんね! って、あれ? この方……』
「私は出来ているけれど……。なんだかこの娘達は出来ていないみたいね?」
「あ、え……そ、その……ってママ!? なにその格好!? なんでママが――」
「イリヤ、少し静かにして。……はい。出来ていません。それより、貴方達は……」
アイリスフィールは白い少女をキラキラした目で見ているが、流石に空気を読んで何かをしたり言おうとはしていない。というかあれどう見てもアイリスフィールですよねというツッコミはしなかった。他人の空似、あると思います。天の衣によく似た装束ですね……。
そして白い少女は未だに混乱ぎみだ。それよりも比較的冷静な様子の黒髪の少女は、歳の割には落ち着けている。大したもので、もう一人の少女を庇うように半歩前に出ていた。
目と目が合う。琥珀色の瞳と、琥珀色の瞳が。少女は微かにその目を揺らした。動揺している? さて、何に対してか。身長差が激しいから怯んだのかもしれない。なるべく威圧感を与えないように、声音に気を遣う。
「此処はカルデア。人理の完全な焼却を防ぐ為、人理定礎復元の為に戦う人類史救済の最前線だ。そしてこの赤いキザ野郎は俺のサーヴァントの一人でクラスはアーチャー」
「誰が赤いキザ野郎だ。貴様も赤いだろう」
「黙れガングロ。顔が厳ついんだよ、見せ筋が」
「貴様……」
「筋力Dが凄むな。ランサーけしかけるぞ」
「虎の威を借る狐か貴様は! オレと同じ体型でほざくな……!」
ビキビキと青筋を浮かばせ、額を押し付け合い至近距離でメンチを切り合う。
唐突に険悪になった男達に、白い少女があわあわとして。アイリスフィールは微笑ましそうに見ている。しかし黒髪の少女だけは、ふと思い出したように顔を強張らせていた。
「アーチャーの……クラスカード」
「え? って、ああああ!! ほんとだ!?」
「クラスカード?」
白い少女の叫びに反応する。どうやら赤い弓兵に見覚えがあるらしい。というか俺にもその目が向けられ、アーチャーと見比べられた。
まあ肉体的には同一人物だからな。そっくりさんに見えても仕方ない。というかそっくりさんどころか完全に双子か何かに見えるだろう。気を取り直し、自己紹介する。
「話を続けるぞ。俺はカルデアのマスター、衛宮士郎。二十八歳だ。君達は――」
「ええええ!?!? お、お兄ちゃん!?」
「うそ……お兄ちゃんなの……?」
「は? お兄ちゃん……?」
二人の少女の絶叫
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