エミヤだよ!全員集合!
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って来たのはマシュだった。
大慌てでロマニを呼びに行こうとしたマシュを呼び止める。白衣姿の可愛いマシュ、眼鏡を掛けていると文系優等生の後輩みたいで可愛い。まあ後輩と言っても十歳の年の差があるんですがね。寧ろ親戚の子で妹的なサムシングだ。
「ロマニには連絡入れてるから」
「そ、そうなんですか? でしたら寝ていた方が……」
「問題ないとさ。起きても」
ロマニには(何時間か後には)連絡入れてる(はずだ)から――事後報告である。便利な言葉だ事後報告。何時間も起きてたらロマニも問題ないとヤケクソ気味に言うだろう。
うん、完璧な理論武装だ。難点はマシュの信用を失い、第二の赤い悪魔と化しかねない事だが、マシュはそれぐらいアグレッシブで丁度いいと思う。俺はさしづめ、我が身を犠牲に後輩の自己表現力を育まんとする先輩の鏡だな。
「ん……士郎さん……?」
っと、マシュが大きな声出すから桜が起きてしまった。
寝惚け眼を擦りながら起きた桜が、俺とマシュを見てきょとんとする。うーむ、父性に目覚めそうな愛らしさだ。仕事に行ったら拾ってきた子犬、という訳ではないが。似たような感じがする。放っておけない。
「おはよう桜。看ててくれたみたいだな、ありがとう」
「……」
ふるふると首を振る仕草は眠たげだ。このまま寝ておくかと柔らかく言うと、桜はこれにも首を振る。
「なんか、出会った頃のマシュの妹みたいだな」
「わ、私の妹、ですか?」
「……」
一瞬、桜は複雑そうに目を伏せた。ああ、デリカシーが無かった。実姉の遠坂の奴を思い出してしまったのかもしれない。
しかし吐いた唾は飲めない。それにマシュは目を輝かせていた。
「雰囲気が似てるからな。二人には同じ後輩属性を感じる。ほら、桜。マシュが姉なのは嫌か?」
「……」
「……」
期待に輝くマシュの顔に桜は一瞬考えて、横に首を振った。おお! 桜の奴マシュを気遣った。空気を読んだぞ。マシュは満面に笑みを浮かべて桜の許に駆け寄り抱き締めた。
「むぐっ……」
「やったぁ! やりました先輩! 私に待望の妹が出来ました!」
「良かったなぁ」
ほろりと涙が出そう。それぐらいはしゃいでいる。しかしなんだ、空元気っぽい。マシュも俺の事情を知ってしまったからなのか? その話題は避けた方がよさそうだ。
「桜ちゃん、わ、私の事は、お、お姉ちゃんと呼んでくれてもいいんですよ?!」
「……お姉ちゃん?」
「はい!」
「むぐっ」
ぎゅうぎゅうにマシュマロッパイに顔を埋められる桜。嫌がってないどころか、何となく嬉しそうな、照れてるような表情だ。無表情の中に、仄かに朱が差している。
麗しきかなとほのぼのしていると、不意に遠坂さん家の凛さんが助走をつ
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