人理守護戦隊エミヤ(後)
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電力が回され、魔力へと英霊召喚システムが変換する。そうして魔力が満ちていく中、不意に管制室から声が響いた。カルデア職員とロマニだ。
『何してるんだい、皆?』
『あ、司令官代理。いえ、士郎さんがサーヴァントを召喚したいと申請してきましたので……』
『――はぁ!? 士郎くん起きてたのかい!? って何召喚しようとしてるんだよ!? レオナルドー! アグラヴェインー! 早く来てくれえぇ!』
「……おい」
「あーうるさいうるさい。おーい、ロマニの声カットしてくれ。傷に響く」
「傷はないだろう」
思わず呆れるエミヤである。この男は自分が起きた事を司令部に伝えていなかったらしい。マシュなら伝えるはずだから、彼女はこの男に煙に巻かれたのだろう。悪い男である。
『士郎くん! 何をしてるんだい!? まだ寝てなくちゃいけ――』
ぶつ、と通信が切れる。士郎が通信の電源を落としたのだ。
魔力が満ちる。いい加減誰か、この男のストッパーになれる人材が必要だろう。その役は御免被るエミヤだ。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか」
「間違いなく別の意味の鬼が後で出るがな」
かんかんに怒り狂うアルトリア達の姿が目に浮かぶ。雷が落ちるだろう。
いい気味だ。
士郎はエミヤの皮肉を聞き流し、召喚サークルに現界するサーヴァントの姿を指し示した。
「ともあれ俺のガチャ運をお前に知らしめるいい機会だ。とくと見ろ、俺に外れ籤はない」
そして、三騎のサーヴァントが姿を表す。霊基パターンは、確かに三騎ともがキャスターだ。
その姿は――
「わっ、わわわ! なになになにー!? いったい今度は何事ー!?」
「イリヤ、下がって! 謎の光が、突然……!」
「あらあら……大にぎわいね?」
見覚えしかない冬の少女と、黒髪の少女、そして冬木でまみえたばかりの、冬の聖女の生き写しだった。
「――ほら見ろ、これが俺のガチャ運だ」
遠い目をした士郎が嘯くのに、エミヤは頭を抱えた。
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