人理守護戦隊エミヤ(前)
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るはずだと思ったのだが……。しかし今回は、話を聞く機会を逃した。食堂に光の御子がやって来たのだ。
「おう、此処にいやがったか、アーチャー」
「! ランサー……一体どうしたのかね?」
猛烈に嫌な予感がする。彼が現れた瞬間、アルトリア達はサッと席を立った。未来予知に近い直感が危機を察知したのかもしれない。出遅れたと察するも、そもそも逃げ場などなかった。
クー・フーリンは、にやりと笑みを浮かべ、友好的に肩を組んでくる。気味が悪い――払い除けようとするが、がっちりと捕まえられた。
「な、なんだね。私に何か用でも?」
「用? ああ、たっぷり三時間も寝たからよ、寝起きの運動に付き合わせる相手を探してたんだ。で、そこでテメェだ。本気の中の本気のオレを、テメェには見せとかねぇといけねぇ気がした」
「――」
脳裡を過る、先の特異点での怪獣大決戦。トップサーヴァントの中の更にトップ陣に食い込む、このカルデア最強のサーヴァントの力。はっきり言って、冬木の時の比ではない。額に脂汗が浮かんだ。
「き、急用を思い出した。オペレーターのお嬢さんとティータイムを――」
「まあまあまあまあ、そう言うなって! シミュレーターでちょいと殺り合おうぜ。師匠と殺り合った熱が抜けきってなくてな――ストレス発散、付き合えよ。な?」
「ま、待て――!!」
白兵戦ではオレを圧倒するアルトリアを圧倒するバグ染みた男と耐久戦闘コースなど御免被る! 必死に抵抗する、が――捕まった時点で運命は決まっていた。
気配を断って食堂の隅にいた赤いフードの男が密かに呟いた。
「お手並み拝見だ、ケルトの英雄さん――」
彼はまだ、クー・フーリンの実力を把握出来ていない。それを見極める機会として、エミヤシロウはうってつけの存在だった。
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