第二話:茜色のサイヤ人
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した)してシスターに子供部屋の場所を教えるように頼まれたエルザに何故か家族がいるかについて聞かれた。
その時のエルザの顔はどうすればいいのか、悩んでいるような表情だったことは覚えている。
周りの子供がまだ遊びたりないことにより、神父さんが一緒に外へ遊びに出かけた。
だから今子供部屋に居るのはオレとエルザだけだ。
その子供部屋から夕焼けの光が窓からオレとエルザの間に差し込んでいるように見える。
「ああ、居るよ。まあ、血は繋がっちゃーいないけど…」
「…!おとうさんとおかあさんは?」
もしオレが今生の実の両親に情があればなにかアクションとかありえたかもしれないが、残念ながら情もなければ二人の顔も知らない。
「知らないな、あったとしてもどうでもいいかもしれねえけど」
「―――えっ…どうでも…いい…?」
「おう。だってオレを捨てたかもしれない親のこと、今更情の欠片も抱ける気がしないしな」
まぁちゃんとした理由があるのならちょっと認識が変わるかもしれないけどさ、と付け加える。
今のオレを拾い、育ててくれた家族には恩もあれば、情も当然あって、この旅の許可を頂いたときの見たあの人の顔はとても申し訳なかった。
だから、この旅で一段落付いたら一旦帰って安心させなくちゃいけない。
前世で親にロクなことしてあげれねぇままおっ死んた親不孝者だが、今生こそ、親孝行したいと考えている。
…強くなることを優先的にしている時点でその考えが二の次みたいになっているけどな(白目)
目の前の少女が自己紹介のときから輝いてた子供特有の目がどんどんと暗くなっていく。
そっちから質問しといてなんだいな…今度はオレから聞かせてもらうか。
「全然一緒に居てくれてねえ顔も知らねえ両親か、ずっと辛い時も嬉しいときも側にいてくれる家族、エルザはどっちが好きなんだ?」
「――――――」
暗くなっていったエルザの顔に動揺が走る。
まるで今まで考えていなかったような、そんな感じだろうか。
ふと、窓の外を見れば神父の格好した中年の男性と、その男性が相手しているだろう子共達が目に映った。
さっきシスターと話して分かったのはここがローズマリー村の端っこに建てられている教会で、シスターさんとその旦那さんで何らかの理由で孤児になった子供たちを引き取って孤児院として経営していること。
恐らくあの子たちは―――眼の前に居るエルザも含めて孤児なのだろう。
オレが窓の方に目が行ったように、エルザも同じようにそちらへ目を移して、自分自身の胸へ手を持ち、こちらの耳に聞こえるくらいギュッ、という音が出るほど握りしめた。
再びエルザへと目を合わせ、オレに向けるその視線は、先程の
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