暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第7話:Prototype Weapons Plant
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せるとボディの色が青から赤へ変わっていき、バスターを撃つのと同じ感覚でしてみたら何時ものショットではなくナウマンダーの火炎放射が放たれた。

「リーチは短いから近接戦闘で役に立ちそうだね。これでエックスの戦略の幅が広がる…」

「ルイン…」

バスターから放射される火炎放射を複雑そうに見つめながらエックスは口を開いた。

「何?」

「これからの戦いのために強化が必要なのは分かるんだけど…これは…」

こういう死者から剥ぎ取るような行為にエックスは気が乗らないようだ。

確かにナウマンダーは紛れも無くイレギュラーで、それには弁護のしようがないし自分もしようとも思わない。

しかしそれでも死者から剥ぎ取る行為にエックスは抵抗を感じるのだ。

「エックスは優しいね……」

渋るエックスに向けたルインの目は優しい。

エックスの気持ちは痛いほど分かる。

いくら非常事態とは言え死者から剥ぎ取るような行為は自分もしたくはない。

「でもごめんね。私もエックスにそんなことさせたくないんだけど…私はエックスみたいに高い拡張性を持たないし、武器可変システムが使えないから…」

「…………」

ルインが自嘲しながらの言葉を聞いて、それはもし彼女が使えるなら彼女が使うというのだろうか?

「今の私じゃ、もっと無理なんだよね…アーマー換装が出来るようになって残りの拡張領域を失ったから」

「ルイン…」

それは仕方ないと思う。

ルインは自分と違って優秀な特A級ハンターだ。

戦闘型レプリロイドはランクによって強化の度合いが違って来る。

特A級の彼女は高水準のパーツで強化されており、それにアーマーを換装する能力を得たことで特殊武器を組み込む容量などないことは分かっている。

「(俺はいつまで彼女に甘えるつもりなんだ…)」

いくら優秀な彼女にだって限界がある。

自分が弱いせいでいつも彼女は傷を負う。

弱いままでは駄目なんだ。

今の自分では彼女を守るどころか危険に曝すだけでせめめて自分の身を守れるくらいには強くならなくてはならない。

生き残り、そして力なき者達の剣となり盾となるために。

「ごめん…俺は甘ったれていた。いつまでも君に頼っていてはいられないのに……」

「…………」

「ルイン、ありがとう…この武器。使わせてもらうよ」

「うん…」

「(俺はもっと強くなる…少しでも彼女の負担を減らせるように…少しでも強くなるんだ。)」

エックスは新たな誓いを胸に施設を後にするのであった。
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