ギルドの雑用係
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しか俺には出来ないですから」
何とか耐えながらも食い下がると、リーアさん「謙遜は美徳ではありますが、過ぎると唯の嫌味になりますよ?」と、咎められる。
「え、で、ですが……本当に、逃げてるだけで、そこまで誇ることでもないと思います」
(後、頬を少し膨らませて咎めるのはズルいと思います)
何というか、怒られてる筈なのにほっこりとしてしまう。
多分男冒険者は怒られに毎日来てるのかなとも思ってしまう。
「それでも助かってる人たちは大勢いらっしゃいます。とにかくこれは事実なんです。分かりましたか?」
(あ……呆れられた)
これ以上俺の食い下がりに付き合う気がないようだ。
「……はい」
「よろしい……では、気を付けていってらっしゃいませ」
「行ってきます」
返事にリーアさんは満足したように微笑んだ次には、受付嬢らしく優雅に一礼をしながら見送ってくれた。
そんな彼女を尻目に、ギルドから上質な薬草の群生地帯へ直行するのだった。
「……」
王都シーラを出て数十分の森林に到着後、周囲を警戒しつつも目的地を目指している。
『エアール大森林』と呼ばれているこの森は、主にワーウルフ族やゴブリン族、ピクシーという妖精族の種族が住んでいる。
多くは初心者冒険者達の育成や魔法学園の遠征という名目で使用されるのだが、普段から冒険者達の出入りが激しい人気の活動場所でもあるので、別名『始まりの森』とも呼ばれている。
資源も豊富なので、ここで林業等で稼いでいる人達も多く居ると聞いている。
そんな森の獣道を、迷わないように所々の木々にナイフで印を付けながら進んでいくこと十数分が経過した頃の時だった。
「──っ」
(気配がするな)
周囲に生い茂る林を掻き分けてくる複数の物体の気配を感じ取る。
(数は……4、いや5か)
大方の気配の数に予測をし、直ぐに臨戦態勢へ移行する。
因みに今の着用している装備、又は所持している道具は以下のようなものだ。
・主に使う武器となる、175センチの短槍。
・予備の武器として、直剣と投げナイフが10本、武器として扱わないつもりだが、作業用ナイフがある。
・所属しているギルドからの至急品である、ワイルドベア皮の素材を使用している皮装備一式。
・腰のベルトに投げナイフ、作業用ナイフと共にぶら下げている、簡単な応急処置に必要な医療品の小物入れ。
・背負っている中型の鞄には地図と、ランプ、蝋燭、三日分の非常食、そして薬草を入れる用に用意した大きい皮袋が畳んでしまってある。
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