ギルドの雑用係
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いていると、不意に後方から誰かに呼ばれた。
「はい? ……って、ロイスかよ」
「いや何だよいきなり。誰を期待してたんだよ」
振り返れば、そこには見知った顔があった。
このロイスという男は、二年前ギルドにやっと慣れてきた頃に、何時の日かは忘れたが隣街まで商人を何人かで護衛する依頼を受けたときに出会ってから関係を持ち続けている、要は戦友っていう間柄だ。
あの時は確か定員六人の寄せ集めパーティで受けたような気がする。
今もロイスとは度々一緒に依頼を受ける仲なのだが、あの時でパーティになった他の四人人とも交友関係を続いている。
一応紹介しておくと、目の前にいるロイスは盾と直剣を扱い、他四人の中でトーレスという変態がいるのだが、そいつは意外なことに、扱いが難しいロングボウを扱っている。
後、コウセイという珍しい名前で如何にもモテそうな顔をしている奴が居え、そいつは長剣を使い、剣術は中々ものでありながらも、魔法も上手という万能型である。
戦い方はまだまだ未熟ながらも、良いものを持っている青年だ。
たまに「これがチートか」とか「やっぱり出来るだけ抑えておこう」とか意味わからん言動するが、良い奴だ。
もう一人はシオリという、これまた珍しい名前の可愛らしい女の子が居るのだが、そいつは魔法が得意なようで、護衛依頼の道中で襲ってきた盗賊の結構な数を倒していたのを覚えている。
こいつもたまにコウセイと同じような意味わからん言動をするが、普段から礼儀正しく、何処かしらの令嬢みたいな振る舞いをする奴だ。
最後の一人はレイナという治癒魔法が得意な奴だ。
しかし、こいつとは他の四人とは違ってどうも仲が良くなれない。
例えば、護衛依頼を終えた後も、たまたま道中で出会い、挨拶を交わすときがこれまでに何回もあったのだが、その時は「あら、まだ冒険者をお続けにいらしてるのですね」とか「そろそろ、その汚い髭を剃られてはどうですか?」とか毒を吐いてくる、そのような奴なのだ。
(黙ってれば美人なんだけどなあ……)
「はぁ……」
まあ、こういう個性的な奴等が、現在の俺と主にパーティを度々組んでくれる戦友達である。
「──おいおい。俺の質問への答えが溜め息ってまた酷いことしてくれるじゃねえか」
どうやらレイナの事を考えていた時に無意識に嘆息してしまってたようだ。
「おっと……すまん。何かお前の顔をみたらレイナとか他の奴等のことが頭に浮かんできた」
「は?」
と、俺が咄嗟に言った言葉に対して呆けた顔をしたので、話を変えることにした。
「いや、なんでもない。どうした? 何か用か」
「あ、ああ。いや……今日も雑用か?」
「雑用っていっ
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