猫娘と神野区異変編
NO.092 残り火のワン・フォー・オール
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壁が今となっては瀕死の姿で立っているのだから。
「君は……誰だったかな?……そう、炎使い……名前を思い出すことができないが、邪魔をしないでくれないか? 観戦するだけならじっと見学をしていてくれ」
「黙れ、破壊者! 俺達は助けに来たんだ!!」
そこでエッジショットがオール・フォー・ワンに攻撃を仕掛けていた。
シンリンカムイが負傷したヒーロー達を確保している。
他にも虎がなんとか立ち上がってオールマイトが守った人を救助している。
虎は語る。
「オールマイト……我らではあなたの重荷をすべては背負えないかもしれない……それでも、少しでもいいから持たせてくれ……」
「虎……」
「そして、あの邪悪を打ち倒してくれ……みんなあなたの勝利を心から願っている。たとえどんな姿でも、あなたはいつまでもみんなの中ではナンバーワンヒーローなのだ!」
そしてこんな場所だから聞こえてこないというのに、この中継を見ている人々の自身を応援する声が聞こえてくるような錯覚をオールマイトは感じていた。
気持ちが暖かくなってくると同時に力がさらに漲ってくる感覚を味わう。
―――ワン・フォー・オール。そして、オール・フォー・ワン。
今は敵同士である。
だが、その言葉の本来の意味は、『一人はみんなのために みんなは一人のために』。
そういう意味が込められた言葉なのだ。
それならばと、ワン・フォー・オールを担うものとしてみんなのために頑張らねばならない、とオールマイトは最後の力を振り絞る。
「―――……煩わしい」
瞬間にして、オール・フォー・ワンの周囲に大量のエネルギーが発生して周りを吹き飛ばしていく。
そしてそれが形となってオール・フォー・ワンの右腕が人ならざる形へと変容していく。
「君を確実に殺すために、今僕が思い出せるうちの強化系の個性の掛け合わせで強化した拳で“君を殴る”!……もう、僕もこれが最後の渾身の一撃だろう。これを放ったが最後、僕もすべてを失うと察した……だから最後まで付き合ってもらうぞ、オールマイト!!」
そしてオールマイトへと向かって加速したオール・フォー・ワンが突っ込んでくる。
オールマイトもそれに迎え撃つために拳を放つ。
二人の拳が衝突して、凄まじい爆発が起こる。
だが、ここでもオール・フォー・ワンは抜かりがなかった。
『反転』という個性でオールマイトの力をそのまま返して捩り潰そうとしたのだ。
それでも、
「お、おおぉおおおお!!」
オールマイトは一瞬にして右腕の力を抜いて左腕に残っている力を移行させて膨らんだ腕で殴った。
それは、致命傷ではなかったために浅い打ち込みだったであろう。
「お互いに隠し芸があるが、こ
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