猫娘と神野区異変編
NO.092 残り火のワン・フォー・オール
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取っていたが、その個性すらも忘れそうになっていて何度も視界が暗くなったりを繰り返しているのだ。
……時間がないと……そう感じ、オール・フォー・ワンは早めにケリをつける事を決めた。
「ああ……もう誰の事だか思い出せないが、君にとってのバッドな内容をこれ以上教えてあげられないのが実に残念ではあるよ」
まだ死柄木弔の事を覚えていたのならもっと丁寧にオールマイトに色々話していただろう、もうそれは叶わない出来事だ。
「……ならば、君を物理的に潰して命を奪ってあげようじゃないか!」
「くるか……!」
オールマイトもほぼ満身創痍……。
だが、背後から聞こえてくる『オールマイト……お願い……救けて……』という言葉を胸に秘めて再度今にも消えそうになっているワン・フォー・オールを燃え上がらせる。
「助けるよ……私はまだまだ『平和の象徴』としての役目を果たしきれていないのだから……」
オールマイトはまだ諦めていない。
そして民衆もまだオールマイトが負ける光景など見たくない。
ゆえに、声を張り上げて応援するという光景が各地で繰り広げられていた。
出久達も、その声を聞いて『頑張れ! 負けるな! オールマイト!!』と声を張り上げる。
「必ず救うよ! それが、ヒーローというものだ!!」
そして右腕を部分的にマッスルフォームにして立ち向かおうとするオールマイト。
オールマイトはその胸の内では師匠である『志村菜奈』の教えを思い出していた。
『限界だーって感じたら思い出せ。何の為に拳を握るのか……原点って奴さ! そいつがお前を限界の少し先まで連れて行ってくれる!』
そんな、いつか教えてもらった教え……。
「(そうだ! 思い出せ! もう、私には師匠の家族である死柄木弔は救える力はもう残されていないのかもしれない……それでも、今この場所で奴を倒して泣いている人達の涙を無くすことぐらいはできる!)」
その思いとともに最後の力を出そうと踏ん張るオールマイト。
「渾身、か……文字通り最後の一撃と見た……実はね。僕もそろそろ色々と限界のようでね、君の事すら忘れそうになっているんだよ……実に悔しい……あの猫にも仕返しをしたいところだが、彼女の名前ももう、思い出せないんだ……」
実に悔しそうにそう語るオール・フォー・ワン。
そこに遠くから炎が飛んでくるのを感知し避ける。
見た先ではエンデヴァーや他のヒーロー達が駆けつけてきていた。
「なんだ貴様……なんだ、その姿は!? オールマイトッ!!」
エンデヴァーが叫ぶ。
それもそうであろう、エンデヴァーは自身ではオールマイトを越えることはできないと悟って、息子の轟焦凍に後を託すしかないと心を鬼にして家族たちに接してきたというのに、その超える
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