103部分:百三.大覚寺殿
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百三.大覚寺殿
百三.大覚寺殿
大覚寺の法皇様の御所において法皇様の側近の人達がなぞなぞを出し合って遊んでいました。そこへ医師の丹波忠守殿がやって来ました。丹波殿が来られると法皇様の側近の一人であられる三条公明殿が皆に対して忠守殿は何故我が国の者には見えないのであろうかというなぞなぞを出しましたら誰かが宋の医師と答えて笑い合いました。宋、即ちからなのでからになります。からの医師、即ちからいしなのですが宋の徳利である唐瓶子と没落した平氏をかけた駄洒落なのですが忠守殿はこの駄洒落を聞いてかなり怒られたようですぐにその場から立ち去ってしまいました。
聞いたところ特に悪口ではありませんし他愛のない遊びであります。それでいちいち怒っていてはどうにもなりませんし駄洒落ならばどんなものでも最悪聞き流す程度で終わらせればそれでいいのではないでしょうか。それをこうして怒るというのはいささか短気なように思えます。この忠守殿にとってはかなり立腹することだったようですがそれでも気持ちを落ち着けて聞き流さないとかえってよくありません。そうは言ってもそうすること自体が難しい時もあるものでありますが。ただこの話を聞いてどうにも残念な気持ちになってしまったのも事実であります。別に怒ることでもありませんのに。そうは思いましても肝心の忠守殿がどう思われるかというとそれはまた別の問題です。やはり難しいものがあります。
大覚寺殿 完
2009・8・25
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