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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第2話:ロックマンX
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ないはずなのに。

それに気付いたケインは手に持ったボタンを押すと扉が閉まる。

『!!?』

突然閉まった扉にルインの身体が硬直した。

『今じゃエックス!!早くルインを抑えるんじゃ!!』

『え!!?』

一体何が起きているのかさっぱり分からないエックスは扉を抉じ開けようとしているルインに目を見開く。

『早くせい!!逃げられてしまうぞい!!』

『は、はい!!』

ケインに促されたエックスは扉を抉じ開けようと手に力を入れようとしたルインを羽交い締めする。

『は、離して〜!!』

『ルイン、どうして逃げようとするんだ…?』

羽交い締めにされてもジタバタと暴れるルインに困惑しながら尋ねるエックス。

『やだ…』

『え?』

『やだやだやだやだやだ〜!!!!そんな苦いワクチンなんか飲みたくない!!ほっとけば風邪なんか治るもん!!』

ノイズが混じった声で泣き叫びながら必死に抵抗するルイン。

『え、ええ!?』

『は?』

ケインが調合したエックス達の専用のワクチンは相変わらず滅茶苦茶苦く、前世の時から苦いのが大嫌いなルインにとってはあまり摂取したくない忌むべき存在。

『ル、ルイン!!?か、簡単には治らないからワクチンを摂取しなきゃいけないんだぞ!!?』

駄々っ子のように手足をバタバタさせながら必死に逃げようとするルインにエックスも必死に抑える。

風邪のせいで本来の力を発揮出来ないルインは何とかエックスでも抑えることが出来た。

『…………』

既にワクチンを摂取したゼロは呆気に取られていた。

『それでも飲むのはやだ〜!!お願いエックス、離してよ〜!!』

『何の騒ぎかね?』

『シグマ隊長!?』

『うえ!?』

『今じゃ!!!!』

突然のシグマの登場に驚いたルインの隙を突いて、ケインは口の中にワクチンと水を流し込む。

『むぐっ!?……〜〜〜〜っ!!!!』

声にならない悲鳴を上げて、ルインはワクチンを飲み込むと床に倒れ伏した。

『だ、大丈夫かいルイン…?』

『う、うぅ〜…に、苦いよう……』

『ガキだな…』

あまりの苦さに倒れ伏し、涙目のルインを心配そうに見遣るエックスとそれを呆れたように見つめるゼロ。

因みにやはりワクチンの効果は抜群で一発で風邪は治った。

当時のことを思い出したゼロは苦笑して、2人の部屋に食事を届けに向かう。

当然、食事代は2人のツケで。

「あ…そうだ。ねえ、エックス」

「何だい?」

「今まで気になってたんだけど、どうしてエックスはハンターになろうとしたの?」

「え?」

いきなりのルインの問いにエックスは思わず目を見開く。
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