第九十話 ならず者達その八
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「ですから」
「それでは」
「飲みましょう」
「それでは」
こうして二人で熱燗を楽しんだ、その中で。
当季も酒を飲んでいたがその酒はというと。
「わしは別にのう」
「熱燗でなくてもですか」
「いいですか」
「ああ、冷えたのでもぜよ」
実際に今彼は冷えた酒を飲んでいる。
「楽しめるのう」
「温まる」
「そうだというのです」
「酒自体がぜよ」
まさにと言いつつ飲む、そうした言葉だった。
「いいぜよ」
「そういえば冬季君は常にですね」
「冷酒ですね」
「熱燗は飲まれてないですね」
「そうしたことはないですね」
「ああ、まあ熱燗を出されてもな」
それでもというのだ。
「構わず飲むぜよ」
「では」
当季のその言葉を聞いてだ、良太も勧めた。そうして冬季はその熱燗を一口飲んでから二人に話した。
「美味いぜよ」
「そうですか」
「それは何よりです」
「それではですね」
「これからですね」
「楽しませてもらうぜよ」
「熱燗は熱燗で、です」
謙二に勧めた良太は当季にも話した。
「ですから」
「ああ、少し飲ませてもらうぜよ」
「それでは」
「さて、それでじゃ」
当季はさらに言った。
「河豚の酒もあるのう」
「ひれ酒ですね」
「おう、あれはどうなんじゃ」
「何なら出してもらうか」
英雄は当季のその言葉を聞いて述べた。
「ひれ酒も」
「そうしてもらっていいんかのう」
「俺も飲みたくなった」
「ではのう」
「人数分頼もう」
そのひれ酒もと言って実際にだった。
英雄はひれ酒も注文した、そうして実際にその酒を飲んでからだった。英雄はこんなことを言った。
「これも美味いな」
「全く以てぜよ」
当季もひれ酒を飲みつつ応えた。
「美味いぜよ」
「こうした料理もあるな」
「河豚料理にはのう」
「だからいい」
「そうじゃな、お刺身や鍋だけではないぜよ」
「これもだ」
ひれ酒もというのだ。
「河豚の美味い食い方だな」
「まっこともってそうぜよ」
「こうして存分に楽しんでな」
英雄はさらに言った。
「最後はだ」
「デザートじゃのう」
「デザートは和菓子を楽しんでいるが」
英雄は当季にこう帰した。
「それは最後の最後でだ」
「河豚料理の最後じゃな」
「それは雑炊だ」
「ああ、鍋でじゃな」
「全部食い終わってだ」
鍋だけでなく刺身も唐揚げもというのだ、言うまでもなく白子もひれ酒も入れての言葉である。
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