暁 〜小説投稿サイト〜
勇者に恋人を奪われて引退した元救国の騎士の復活譚
冒険者、エーデル
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
い」

 俺はそれに悪びれることはなく微笑む。

「全く。からかうのは程ほどにしといてくれよ? あの子は本当に初なんだ」

 と、口ではそう言いながらも、それでもミラさんの表情は依然として咎めるようなものではなく、温かいままである。

「善処します。はい、2シルバーです」

「またやる気満々じゃないか。……ん、丁度だね。確かに受け取ったよ」

「ははは。では、行ってきます」

「気を付けてらっしゃい。くれぐれも、死ぬんじゃないよ」

 ドアノブに手をかけたとき、後ろからそんな言葉が聞こえてきた。
 それに対し、不敵な笑顔を態と作ってから、戯言で返答をした。

「おや? ミラさん、もしかして俺のことが心配なんですか?」

 返答に対し、ミラは「はっ」と、鼻で笑い飛ばす。

「バカいってんじゃないよ。どれもこれも、エリーの為さ。」

「素直じゃないですね。ええ、絶対死にません。エリーの結婚式を見るまでは」

「はいはい。それまでに生きてたらね。そら早く行った行った」



 そうしてミラさんの力強い言葉に押され、今日も俺は冒険者としてお金を稼ぐ。





[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ