冒険者、エーデル
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ない気持ちが分かる)
間違いなく、エリーみたく初で純粋な美少女なら、異性間で様々な問題が起こりそうだ。
「ああ。特に今日の野菜スープ。つい五日ほど前に同じような野菜スープを食べたんだが、味が変わってる気がするぞ」
俺はそう言いながら、もう一度野菜スープを口に運ぶ。
(今回のスープは……前に食べたときより塩分を微量に薄めて、食が細くなる早朝の腹に優しいさっぱりとした味になってるな)
「うん。やっぱりな。前よりもさっぱりとしてて、朝に食べるには丁度良くなってる」
「は、はい。前にスープを作ったときにもエーデルさんは美味いと言ってくれたのですが……後々私が食べてみると少し濃いめだなと思いましたので、今回は塩を少なめにして、代わりにトーメトを入れて酸味で味を丁度よく調整しました」
解説された後、「あ、確かに」と前に作られたスープに無かった野菜が入ってることに気付いた。
その野菜はトーメトといい、色は赤く、食べてみると瑞々しく酸味が染み渡った後、微かに甘味も感じることが出来、体の健康にも良く、家庭から飲食店等、幅広く使われている。
今回のスープはトーメトの丁度良い酸味と微かな甘味の特性を生かし、さっぱりとした味に仕上がらせているのだ。
「凄いな。この短期間に味を修正出来るなんて。流石はエリー、良いお嫁さんになる」
「ふぇっ!?……」
「え? ど、どうした?」
(いきなり変な声出すから驚いたぞ)
スープから視線を外し、エリーの方へ向ければ、完熟したトーメトのように顔を赤く染め上がらせていた。
しかも、顔をこれまで以上に俯かせている。
それらを見るに「ははーん?」と、俺は一つの結論に辿り着く。
「……流石に良いお嫁さんになるって言われたぐらいで照れすぎじゃないか?」
そんな言葉に、「ひうっ!?」と、これ又図星を突かれたのが丸わかりな反応を見せると、今度はまだ赤い頬を膨らませながら
「エーデルさんのイジワルっ!」
と、言い残して、そのまま厨房の方へズカズカと戻っていってしまった。
「……くっくっくっ」
(いけない。可愛いからちょっとからかってしまった。でも直ぐにああなるからなあ……もうすぐで15になると言うのに、あの純粋さは本当に反則だ。世の男なんて放っておけないだろ)
一頻り笑った後、記事を折り畳み、スープを完食させる。
「ごっそさん。ミラさーん! 勘定頼む!」
「──あいよ」
席を立ちながら、厨房の方へ叫ぶと恰幅な女性が出て来て、次には「エーデルさん。さっきうちの娘が凄い顔を赤くして『バカ、バカ』とか悪態吐きながら厨房にやって来たんだけど?」と、何処か含んだ笑顔を浮かべてきた。
「すみません。つ
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