状況整理だセイバーさん!
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魔術使いのようだった。ならマスターの天敵とも言えるアサシンを野放しにはしない。そのマスターの所在が明らかな内に手を打つと考えるのは妥当と言えるが……。
騎士王は二本目の指を立てる。
「問題なのはキャスターとアサシンの他に誰が脱落しているのかが不明な点です。キャスターのクラスが重複し、聖杯戦争に於ける七騎の縛りに数が合わなくなっている時点で、必ずしもバーサーカーが脱落しているとは断定出来ないのが悩みの種です。現状で判明している英霊は私と英雄王、光の御子。他に征服王、魔術王、バーサーカーにアサシン、キャスターとなります。この時点で八騎存在している事になりますが――」
「――私の中には既に三騎いる」
聖杯の仕組みについて、アイリスフィールはセイバーに話していた。己が脱落したサーヴァントの魂を回収し、聖杯に焚べる器になるのだと。即ちアイリスフィール自身が聖杯なのだと話したのだ。
セイバーはこれに驚きはしたが――彼女には彼女の悲願がある。確実な燃料として、他の英霊の写し身であるサーヴァントを捧げるのに躊躇いはない。そしてアイリスフィールが滅びる事も勘定に入れ、公私を分けて結末を受け入れていた。
「確実に生き残っていると言えるのは三騎士と征服王、魔術王を合わせての五騎ね。脱落者はアサシンで一、そして重複しているキャスターで二とする。――後一騎は何者なのか……これが謎よ」
「妥当に考えればバーサーカー……ですが、ランサーとライダーのマスターは、倉庫街での戦闘以来、バーサーカーと交戦していないと言っていました。私達もそれは同じです。アーチャーの戦闘だと派手になる、ですのでどこかで戦えば分かるはず……アーチャーが斃した可能性も薄い。アサシンかキャスターがバーサーカーのマスターを斃した可能性はありますが、確実ではありません」
「もし仮にバーサーカーが健在なら、三騎目の脱落者が不明ね。八騎目のサーヴァントがいたのだから九騎目がいないとは断定出来ない。最悪の場合、正体不明の敵サーヴァントが何処かに潜んでいる事になる」
……。
「頭がこんがらがってきたわ。ねえセイバー、貴女はどうしたらいいと思う?」
聡明な頭脳を持っていると言っても、実戦経験など持ち得ないアイリスフィールは、すんなりと常勝の王へ意見を乞う。
それがアイリスフィールの長所だった。他のマスターなら自分で考え、使い魔でしかない彼女に意見を乞う事など思い付きもせず、考え付いたとしても宛てにしないだろう。
ゲームのプレイヤーはあくまでマスターなのだ。しかしそんな固定観念を、アイリスフィールは無垢故に無視してしまえる。分からない事があれば他者の、セイバーの考えを訊く柔軟さがあったのだ。そしてセイバーは、意見を請われれば率直に口にする気質である。
「幸いな事
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