王様に物申す士郎くん!
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「何が目的だ」
「何度も言わせるな、雑種。道化も業が過ぎれば不快でしかない」
「カルデアと戦わないと言った口で何を言う。余りおふざけが過ぎるようだと諫言にも力が入るというものだ」
軽い挨拶のような殺意に皮肉で返す。へりくだる者には死を、阿る者にも死を賜す王だ。何を言っても気分次第、ならば自身の言動に気を遣うだけバカらしい。偽らない素の自分で向き合う事だけが、結果として英雄王に対するのに相応しい態度だ。
干将と莫耶を投影する。相手が英雄王であっても、こちらにはマシュと魔術王がいるのだ、遅れは取らない自負がある。マシュも周囲に他陣営の目がない故か、白衣からデミ・サーヴァントとしての姿に転身し大楯を構えた。
その臨戦態勢にギルガメッシュは嘲笑を浮かべる。
「自らの恃む最強の槍と剣を欠いたまま、この我の裁定に歯向かうか」
「槍と剣はないが、楯と術はある。俺の諫言は耳に痛いぞ、英雄王」
「ハッ――」
黄金の超越者は失笑を溢し、そして。
「自らの在り方に惑う道化風情がよく吼えた。だが所詮はアラヤの走狗、掃除屋如きの諫言を、この我が聞き届ける道理はない」
「――なに?」
聞き捨てならない事を、言った。
反駁しかける。だが、英雄王は百挺を超える宝具を照準する。狙いは――桜だ。
激発する理性が疑念を焼却する。迎撃の為に用意していた投影宝具群に実像を結び、
「ではな――自らの起源を知れ、雑種」
――黄金は、殺意もなく。王には戦いですらない、下らない雑事の始末を始めた。
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