正義って何さ士郎くん!
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それに噴き出してしまう。あのロード=エルメロイU世が、なんて小動物チックなのか。可愛らしすぎて、相好を崩しながら言った。
「話は纏まったな。この場の陣営全てで、円蔵山の大聖杯を検めに行く。一先ず今夜は別れよう。明朝、山の麓で会おう」
「? 今から行かないの?」
アイリスフィールからの問い掛けに、俺は尤もらしく言った。
「ライダーのマスターもそうだろうが、キャスターのマスターと貴女も、相応に準備はしておきたいだろう? 根本のところで信頼するにはまだ付き合いが浅い。俺も備えるが、他にやらなきゃならない事もある」
「ふむ。やらなければならぬ事、か。それはなんだ、ランサーのマスターよ」
「教える義理はないな、ライダー。だが休戦の発起人として、ある程度は明かしておこう。
脱落したはずのアサシン――ソイツを片付けておくまでの事だ」
教会にいる言峰から令呪を剥ぎ取り、アサシンを殺る。
適当に目についた宿に入った俺は、自身の領域でもないのに『空間転移』で合流してきたロマニとマシュを交えてそう言った。
「言峰の野郎か。チッ……オレが殺りたい所だが……」
「残念だが、君はここまでだ」
マシュの設置した盾を基点に開いたサークルを通り、カルデアから来援した赤いフードの暗殺者――切嗣がそう言った。クー・フーリンは露骨に舌打ちし、サークルの上に立つ。
光の御子は俺の方を見て、飄々として宣う。
「マスター、言峰の野郎は殺っちまった方が世のため人のためだぜ」
「ここは特異点だぞ。やっても何も変わらん。なら流れる血は無い方がいい」
「は。奴の本性を知っててそう言うんだから筋金入りだな。んじゃ、賭けの始まりだ。言い訳して逃れようとすんなよ」
笑いながら消えていくクー・フーリンに、俺は微笑んだ。
「賭け? なんの話か分かりませんね……」
「おい」
「俺のログには何もないなぁ」
「おうキャスター、マシュの嬢ちゃん。何がなんでもコイツに吠え面掻かせてやっから、見とけよ」
「応援してるよ。本気で」
「はい。頑張ってください、ランサーさん」
にやにやと。にこにこと。ロマニとマシュはクー・フーリンを激励した。
なんて事だ、俺の味方はいないのか……? 人の過去なんか見て何が楽しいんだか。
揃いも揃って趣味が悪い。マシュまで巻き込むのはやめろと言いたい。
消えていったクー・フーリンを見送り、入れ違いにやって来たのはクー・フーリンの姿をした百貌のハサンである。俺は感心し称賛した。
「よく来たアサシン。大したもんだ、どこからどう見ても光の御子そのまんまだぞ」
「そうかい? そいつは重畳。ま、なんだ。戦力としちゃマスターにも劣るが、見掛け倒
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