頭脳を回せ、決めに行くぞ士郎くん!
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騎が落ちているわ。暗殺者と狂戦士じゃないかしら」
「……」
脱落者が二騎だと教えて貰い、『俺が二騎脱落している』事を知ったという建前をアイリスフィールに植え付ける。
これで俺が二騎が脱落している事を承知しているという既成事実が出来上がった。俺は沈黙し、顔を険しくさせる。そうするとアルトリアとアイリスフィールは怪訝そうにこちらを伺った。
「妙だ」
呟き、そっとアルトリアを指差した。
頭にクエスチョンマークを浮かび上がらせるアルトリアから、つい、と指先をクー・フーリンが向かった先に向ける。
「一、二、三、四……」
そして英雄王の去っていった方角を指差す。
「五」
「……サーヴァントの数、ですか」
アルトリアの質問に頷く。
「とすると、向こうにはランサーとライダーの他にもう一騎がいる……ランサーから報告があったのですね」
「ああ。そして向こうで聖杯の中身を撃破したらしい。――さっき中断した情報提供の続きをしよう。聖杯は、いやアンリ・マユは脱落したサーヴァントを反転した存在として取り出し、使役できる。撃破した敵は、アイリスフィールの言った聖杯の呪いそのものだ」
「なっ――!?」
訥々と語る。俺の知る聖杯の仕組みを。
もはや朧気だが、俺の経験した第五次は三通りのパターンがあった、はずだ。その三つ目が桜を起点とし、アルトリアが反転したオルタとして立ち塞がる、というような話だった気がする。――こんな事なら知識をメモっておくべきだったと後悔するも後の祭りだ。
アンリ・マユの話も絡め、手短に語り終えると、アイリスフィールとアルトリアは唖然としていたが。それを横に置いて話を進めた。
「そしてもう一つ。今俺が数え上げたサーヴァント以外に、俺の陣営はアサシンを目撃している。この意味がわかるか?」
「っ……! ……数が、合わないわ!」
アイリスフィールは今度こそ愕然とした。
聖杯戦争に召喚されるサーヴァントは原則として七騎である。アイリスフィールの認識の上で健在な五騎の他に、アサシンの目撃情報があるとすれば、たちまち前提が破綻するのだ。
脱落したのは二騎だと感じているのだから、明らかに一騎、余分に多い。土気色の顔でアイリスフィールが口許を手で覆う。その頭の中で様々な憶測が錯綜しているだろう。そこに、更に彼女を混乱させる情報を追加した。
「ランサーが向こうで会ったのは、キャスターとライダーらしい。だが――斃した敵も、キャスターだったようだぞ」
「そんな!?」
「馬鹿な……有り得ない……!」
「そう。クラスが重複するなど、聖杯戦争では有り得ない。にも関わらず二騎のキャスターがいる。そしてサーヴァントの数も合わない。明らかに――この聖杯戦争はおかしい。原因を追究するべ
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