三十六匹目
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「なに言ってるの? ボーデンさん?」
そういいながらもシラヌイを撫でる手は止めない。
「ふふん…。わたしの一人勝ち」
シラヌイが家に帰ろうという時になり、ようやく真打ちが登場した。
「シラヌイー。帰るぞー。早う準備せぇ」
「あ! お婆様!」
シラヌイが玉藻の尻尾に抱きつく。
「嬉しそうに抱きつきおってからに…見られとるぞ? 恥ずかしくないのか?」
「お婆様の尻尾の前にはそんなの無意味…」
「「「ッ………(ギリィ)」」」
「ぷっくく…ぶはは! ひゃは!はははは! もう無理? 面白すぎっ…! はは…! 腹っ! 腹捩れるっ!」
「どうしたのじゃボーデン。かようにわらって」
ボーデンが玉藻に今日1日の事を話すと、玉藻がクツクツと笑いだした。
「くだらんのぅ…」
ひとしきり笑うと、玉藻がシラヌイを抱き上げた。
「孫は儂の物じゃ。やらんぞ」
「「「「な!?」」」」
「うきゅー? おばーさまー?」
「ではな」
そのまま、勝ち誇ったかのように玉藻が出ていった。
「という事があったんじゃがちと悪乗りしすぎたかのぅ?」
と夕食の席で玉藻がシェルムとブライに話をした。
「いえ、私は構わないと思いますよ?」
「ふーむ…メリーちゃんに第五師団長の娘に姫様に国家錬金術師筆頭か…。うむ、我が息子は嫁を選び放題だな!」
「結局僕がペット扱いされてるだけなんだけどね…」
不貞腐れたようにシラヌイが呟く。
「ご安心くださいご主人様。私は命尽きるまでご主人様のペットであり続けますので」
「あー、うん。あんがとティア」
その晩シラヌイは久々に獣化した玉藻と眠るのだった。
「こゃぁーん……」
(嬉しそうな声を出しおって……)
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