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許されない罪、救われる心
98部分:第九話 全てを壊されその七
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・・・・・・」
「置いてやってるのよ」
 最早愛情なぞ完全に消えていた。それが露わになった言葉だった。
「それをわかりなさい」
「じゃあ・・・・・・」
「早く行きなさい」
 娘に対して忌々しげに告げる。
「さっさとね」
「ええ・・・・・・」
 如月は力なく頷くしかできなかった。そのうえで捨てられた鞄を手に取ってだ。とぼとぼと学校に向かうのだった。その足取りはかつての様に元気のいいものではなかった。死にに行くかの様だった。
 そしてだ。校門に着くとだ。
 脚がすくむ。それだけではない。
 吐き気が来た。それで校門に吐きそうになる。しかしだった。
「おい、何してんだよ」
「こんなところで吐くつもり?」
 後ろから冷たい声がした。
「とっとと行けよ」
「学校にね」
「逃げるのを許すな!」
 そしてまた岩清水が煽るのだった。

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