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戦国異伝供書
第二十九話 安土入りその二
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「何があろうとも」
「そうするか」
「それこそ拙者が死ぬまで」
 その時までというのだ。
「そうさせて頂きます」
「魏徴の様にか」
 信長はここで唐の太宗の諫臣の名を出した。
「その様にするか」
「あの様な人物になりたいですな」
「実際にそう思っておるか」
「はい」
 まさにと言うのだった。
「そう思いです」
「そうしてじゃな」
「殿にも謹言します」
 そうしていくというのだ。
「何かあれば」
「では頼むぞ」
 信長も受けると言うのだった。
「これからも」
「それでは」
「では岐阜はな」
「お任せ下され」
「その様にな、岐阜の街は賑わっておるしな」
 それでというのだ。
「ならばな」
「その賑わいもですな」
「守ってもらうぞ、むしろな」
「今以上にですな」
「賑やかにしてもらう、これから東国との道を整える」
 このこともだ、信長は話した。
「江戸と都や大坂を結ぶな」
「東海道と中山道ですな」
「そうじゃ、その二つの道を整えてな」
「岐阜はどちらの道にも通るので」
「だから賑やかになる、その賑やかさをじゃ」
「確かなものにしますな」
「人の行き来は増える」
 これからは東国も栄えさせる、そうなれば都との行き来も増える。そしてその途中にある岐阜もというのだ。
「それ故にな」
「岐阜の街をより栄えさせ」
「繁栄させよ」
「わかり申した」
「あと今わしは関所はなくしておるが」
 信長は今度は関所の話をした。
「しかしな」
「これからは、ですな」
「用心としてじゃ」
 その為にというのだ。
「関所を置いておきたい、だが今度は銭は取らぬ」
「これまで関所は銭を取っていましたが」
 そこを通る者から取っていたのだ、室町幕府の八代将軍足利義政の正室日野富子は関所を多く設けそこから高い銭を取ってかなり儲けていた。
「それは、ですか」
「せぬ、ただ通行の証として手形でも作り」
「そうしてですか」
「通らせるものとする」
「その様にしますか」
「寺に出させるが寺には基本相当まずい者でもないとじゃ」
 過去にかなりの大罪を犯した者でなければというのだ。
「通らせる」
「そうされますか」
「うむ」
 その通りだと言うのだった。
「そうしてじゃ」
「おかしな者が動くことはですか」
「させぬ様にする」
「その様なことをお考えとは」
「あと竹千代が大井川の橋はかけぬ方がよいのではと言ったが」
 今度は川の話だった。
「あの川にもな」
「橋はかけますか」
「そうしてじゃ」
「あの川についてもですか」
「人の行き来は楽にさせる」
 その様にするというのだ。
「東国で謀叛が起こって軍勢が攻めてきたことを考えて言ってきたが」
「それは、ですか」

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