第十幕その一
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第十幕 動く列車砲
先生の携帯電話に宮田さんから連絡がありました、先生が電話に出ますと宮田さんはすぐにこう言ってきました。
「ドーラの模型、動いてです」
「レールの上で、ですね」
「はい、四つのレールの上全てに乗れて」
無事にそうなれてというのです。
「しかも動きます」
「大砲もですか」
「火花も出ました」
火打ち石で出されるそれもというのです。
「無事に」
「成功ですね」
「はい、新垣君と和田君もそして博物館の皆が頑張ってくれて」
そしてというのです。
「無事にです」
「動いているんですね」
「成功しました」
その全てがというのです。
「本当に」
「それは何よりですね」
「それでなのですが」
宮田さんは先生にこうも言いました。
「明日です」
「明日ですね」
今は夜です、先生は御飯とお風呂の後でくつろいでお酒を飲んでいます。今夜は先生の好きなお酒の一つであるスコッチウイスキーをロックで飲んでいます。おつまみは胡桃です。もうお仕事は終わっているで明日になるのです。
「そちらにお伺いして」
「見て頂きますか」
「是非」
これが先生に返事でした。
「そうさせて下さい」
「お願いします、それでは」
「明日の朝にお伺いします」
「開館と同時にですね」
「そうさせて頂きます、明日の午前は講義もないですし」
「それでは」
こうしてでした、先生はその動くドーラを見ることになりました。このお話が終わってからトミーと皆に言いました。
「ドーラ、動くそうだよ」
「あっ、成功だね」
「よかったわね」
「動く列車砲ね」
「それがこの目で見られるのね」
「そうなんだね」
「そうだよ、模型だけれどね」
それでもというのです。
「ドーラが動くんだ」
「あの巨大な列車砲が」
「実際に動くなんて」
「夢みたい」
「それがこの目で見られるなんて」
「そうだね、流石に実物じゃないけれどね」
それでもというのです。
「動く列車砲、しかもドーラだからね」
「余計に凄いわね」
「明日が楽しみだよ」
「じゃあ明日を楽しみにして」
「今日は寝ましょう」
「気持ちよくね、お酒も美味しいしね」
スコッチの味のことにも言及した先生でした。
「スコッチもね」
「久し振りにスコッチ飲んでますね」
トミーがスコッチについて応えました。
「最近ワインや日本酒が多くて」
「うん、日本に来て色々なお酒を飲む様になってね」
「スコッチを飲む機会は減りましたね」
「どうもね」
「それでも今はですね」
「こうしてね、久し振りに飲んでいるよ」
言いつつロックのスコッチを飲み続けています。
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