95部分:第九話 全てを壊されその四
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第九話 全てを壊されその四
「この様なことをする娘さんを持っている城崎さんの教育はどうなっているのでしょうか!一体どうした母親なのでしょうか!」
「ふうん、あんな娘さんだったんだ」
「娘さんがいるとは聞いてたけれど」
「とんでもない娘さんだね」
「最低だよね」
幸い今日母は休みだった。しかし岩清水は店の者だけでなく客にまで訴えるのであった。
「こうした娘さんを持っている人がこのお店にいるのです」
「おい、それって」
「なあ。もうここ来ない方がいいんじゃないのか?」
「そうよね。感じ悪いわよね」
「全くよ」
客達も眉をしかめさせる。そうしてだった。実際に何も買わずに店を出て行く人間が次々と出て来たのであった。
そして店員達もだ。如月の母に拭えない悪感情を持った。その結果だ。
母もだった。彼女を責めるのだった。
「あんた学校で同級生の娘いじめていたのね」
「えっ、何でそのことを」
「やっぱりそうなのね」
母は娘の驚く言葉を聞いて確信した。
「していたのね」
「それは・・・・・・」
「パート先でそれを言う人がいたのよ」
このことを娘に話す。
「それでよ。お母さんパートクビになったのよ」
「嘘、そんな・・・・・・」
「嘘じゃないわよ」
母は怒った声で娘に告げる。
「あんたのせいよ。あんたのせいでクビになったのよ」
「御免なさい・・・・・・」
「謝って済む問題じゃないわよ」
「そうだ、御前のことは会社でも話になっているんだぞ」
父もここで俯いてしまった娘に言ってきた。
「電話とかファックスがかかってきてな」
「嘘、そんな・・・・・・」
「いじめをしている写真も送られてきたぞ」
それもだというのだ。
「御前とんでもないことをしていたな」
「それは・・・・・・」
「お陰でお父さんも責任を取られそうになっているんだ」
娘を糾弾する言葉だった。
「どうしてくれるんだ、会社をクビになったら」
「パート別の場所探すのもよ」
ここでまた母が言う。
「今のこの不況で」
「全部姉ちゃんのせいだ」
弟もだった。
「姉ちゃんのせいでこうなったんだ」
「そうよ、あんたのせいよ」
「御前のせいで全てが駄目になったんだ」
こう言って家族の中でも責められていった。そうしてだった。
如月は家族の中でも冷たい扱いを受けることになった。話し掛けられることはなく一緒に食事を摂ってもただ前に食べ物が置かれているだけだ。そして挨拶もされなくなった。
それはだ。三人も同じだった。
「どうしよう、お兄ちゃんのお店に電話かかってきて」
文月が言うのだった。
「お店クビになったのよ」
「あのことよね」
「うん」
沈みきった顔で霜月の言葉に頷く。
「そうなの」
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