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彼願白書
逆さ磔の悪魔
レッドカーペット
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「まぁ、あまり踏み入れさせないほうがいいわよ。ブルネイのビッグパパはアンタと違って、真っ当に栄達しているんだから。」

「ずいぶんとブルネイを庇うやん?叢雲らしくもない。」

「当然よ。お気に入りの店には長続きしてほしいもの。」

「ブルネイは馴染みの飲み屋かいな……」

叢雲のバッサリとした言い様に龍驤もがくりと肩を落とす。
南方の要、難攻不落のブルネイを行きつけの酒場扱いしているのも叢雲くらいなものだろう。

「そりゃあ、ブルネイまで来るんだもの。これが一番の目当てに決まってるじゃない。さて、今回は何が出てくるかしら。大人数で押し掛けちゃうし、オードブル形式で来るかしら?それとも鍋かしら?バーベキューやビュッフェの様式もありそうね。向こうも祝勝会にしたいだろうし、あっちの子達も来るかしら?」

叢雲は澄ました顔をしているが、うきうき気分なのは丸分かりだ。

「まったく、ネームレベルも叢雲にかかったら、単にごちそう食うための方便かいな。」

「そう言うけど、今回一番せっせと働いてたアンタがまさか『ネームレベルを倒す使命感』だのなんだの真っ当に艦娘らしいことを言い出したりしないでしょうね?」

「まさか。ただ、他の鎮守府の艦娘がウチらを見てどんな反応するかが気がかりなんやけどな。なにしろホラ、ウチらが大勢でどこかに押し掛けるなんて初めてやし。」

「まぁ、そこら辺は行ってみないとわかんないわね。行ってみたら挑戦状持った艦娘が長蛇の列を作って待ってたりしてね。」

叢雲は冗談めかして笑う。
龍驤も他人事だと思って笑う。
そういうのがあるとしたら、天龍とか木曾にだろう。

『ブルネイ港湾内に進入、これより接舷停泊作業に入る!』

「ま、なんにせよ……まずは御飯よ。」

「ごもっとも。出迎えも来ているようやしの。」

甲板から『みのぶ』が接舷する岸壁には、どうやら出迎えを任されたらしい艦娘の姿が見える。
件のビッグパパが見えない辺り、どうやら今頃忙しく厨房を回していると見ていいだろう。

「さて、リバースド・ナイン撃破打ち上げパーティーだ。はしゃぎすぎないように、羽を伸ばさせてもらおう。」
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