猫娘と神野区異変編
NO.091 真実
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そしてまるで暴走しているように力を溜めているオール・フォー・ワンの姿を見て、
「……どういう状況だ? あのオール・フォー・ワンのイカレ様はなんだ……? 手短に教えろ」
「はい」
オールマイトは先ほどまで行われていたオール・フォー・ワンと出久のやり取りを手短に伝えた。
そして、
「そうか……。小娘は無事って事でいいんだな?」
「ええ」
「しかし……それでオール・フォー・ワンはああなっちまうなんて、哀れな姿だな」
「ええ。ですからここで決着を付けなければいけません」
「そうだな。俊典、まだ限界は来ていないな……?」
グラントリノはそう聞く。
まだ限界は来ていないとはいえ、一応は体が治っているオール・フォー・ワンを相手にするのだ。
それなりに保ってもらわないと困る。
オールマイトは笑みを浮かべながら、
「多少は大丈夫でしょう。感覚としましてはもうそれほど時間もないでしょうが、それでもオール・フォー・ワンだけでも倒します」
「そういう事を聞きたいわけじゃねぇんだがな……まぁ、いい。俊典、気ぃ、引き締めていくぞ!」
「はい!」
そして二人はオール・フォー・ワンを見る。
力を溜めていたのがようやく完了したのか、
「オールマイト!! 貴様を、この手で、葬る!! 僕の個性で!!……いや、僕の個性はなんだ? どう使えばいい? ええい、鬱陶しい……どんどんと知識が欠落して零れ落ちていくようだよ……。だが、これだけでも貴様に忘れる前に伝えなければいけないなぁ……!!」
「なにを……ッ!?」
「貴様が先ほど会っただろう死柄木弔はなぁ、志村菜奈の孫だ!」
「ッ!?」
それを聞いてオールマイトは一瞬にして表情を凍らせる。
グラントリノも顔を真っ青にしている。
死柄木弔が先代ワン・フォー・オールの継承者であり、オールマイトの師匠でもある『志村菜奈』の孫だという真実に……。
「う、嘘を言うな!!」
「今の僕の現状を鑑みて嘘を言える状況だと思えるかい……?あっ……そもそも、志村菜奈とは……死柄木弔とは……誰だ……? 僕にとって、どんな人なんだ……?」
「オール・フォー・ワン……」
オール・フォー・ワンはもう死柄木達の事でさえ、つい先ほどまで覚えていたのに記憶から欠落してしまったようだ。
これでもう改めて確かめる事が不可能になってしまった。
まだまだオール・フォー・ワンしか知らない真実がいくつかあるであろうが、もういずれは記憶をすべて欠落する運命にある彼には聞けようがない。
「ああっ! もう、どうでもいい! オールマイト! 貴様を倒せれば僕にとって他の事なんて些細な事なんだ!! 行くぞ!!」
オール・フォー・ワンらしからぬ自ら特攻をしかけてきたのだ。
それでまだショ
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