猫娘と神野区異変編
NO.091 真実
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
オールマイトに「逃げなさい」と言われた出久は少しして足を止めてオールマイトとオール・フォー・ワンが戦っているだろう方角に取材のヘリが飛んでいくのをじっと眺めながらも、
「……これで、よかったんだよね? イズクがこれ以上私のせいで辛い目に合わないために……。私の判断は間違っていなかったんだ……」
自分自身にそう言い聞かせて出久は少しばかりの胸の痛みを感じながらも手をギュッと握りしめる。
そんな時だった。
その場に爆豪達が駆けつけてきた。
「出久!!」
「デクちゃん!!」
「……? あれ、なんで……」
出久はなぜ彼らがここにいるのか理解が及んでいなかった。
それはそうだろう、個性訓練の施設から相当距離が離れていたのだから。
さすがに八百万の個性のおかげとは分からなかった。
「緑谷君! 無事だったんだな!」
「待て、飯田。…………お前は、緑谷じゃねぇな?」
轟の言葉に全員がハッとする。
「さっきのオールマイト達の言葉数を聞かせてもらっていたが、お前は緑谷じゃなくて、緑谷のうちに個性と一緒に宿る『フォウ』なんだな……?」
出久はそれで頭を悩ませていた。
まさか先ほどの会話をこの六人に聞かれていたとは……。
自身の事なら別にばれても構わないのだが、ワン・フォー・オールの事もつまりはバレた事になる。
出久が後々苦労しそうなある意味厄ネタだろう。
それでどう返事を出そうか迷ったが、すぐに出久は頷きをして、
「そうだよ。私はフォウ。イズクに宿っている意思だよ」
「そうか……、いま、緑谷はどうなっている……?」
「安心して。まだオール・フォー・ワンの洗脳の縛りが完全に解けていないから意識は覚醒していないけど、そろそろ目覚めると思う。私もイズクが目を覚ましたら内に引っ込むよ」
「そうか……」
それで全員は一応は安堵の表情を浮かべるが、そこで爆豪が新たな質問をする。
「それで、てめぇはこの件については出久に教えるのか……?」
「うーん……できれば隠しておきたいけど、きっといずれは知っちゃうと思うから、だから私の代わりにみんなが教えてあげてくれない? 何も知らずにいつの間にか解決していました、じゃイズクも納得しないと思うから」
「だろうな……まぁいいが。それと、もう一つだ。出久は、オールマイトの個性を引き継いでいるっていうのは本当の事なのか……?」
「そこも、聞いていたんだね……。うん、そうだよ」
「なんで、出久はその事を俺達に教えてくれなかったんだ……?」
「そうだぜ! 教えてほしかったよ!」
切島もそこで声を上げるが、一回出久は難しそうな顔をしながらも、
「それは、難しかったんじゃ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ