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人理を守れ、エミヤさん!
クールになるんだ士郎くん!
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らやはり、それは俺の自業自得でしかない。

 アルトリアは目を丸くして、アイリスフィールはほんのりと頬を緩めた。アイリスフィールは俺がアルトリアを通して自分の人柄を見越したのだと察したのだろう。

「セイバーのこと、よく知ってるのね」
「それはそうだ。俺と青ペンちゃんは愛し合った仲なんだから」
「はっ!?」
「あら! 面白そうな話ね、是非詳しく聞かせて貰いたいのだけど」
「ああ、それは構わない。だがその前に、」
「ええ、その前に聞かなくちゃならないわね」

 俺の戯れ言にアルトリアは心底虚を突かれて挙動不審になるも、アイリスフィールと俺は含むものを匂わせて相対する。
 冬の聖女の写し身である白い女は、そんな俺の態度に軽く表情を動かし、確信を持って訊ねてきた。

「……第三次聖杯戦争に参加したらしい貴方なら何か知っていそうね」
「さて、なんの話だ?」
「惚けないで」

 アイリスフィールは一転して厳しく問いただして来る。
 彼女の娘であるイリヤスフィールと同等の機能を獲得した聖杯である彼女は、やはりあの冬木の泥について察知したのだろう。存在するはずのない、脱落したサーヴァントの気配も。
 故にこうして矢鱈と事情通な俺に探りを入れて来た。そしてその反応から、彼女は冬木の聖杯に宿る『この世全ての悪』について何も知らされていないと判断できた。

「どうして今、私の城に聖杯の(・・・)気配が近づいてくるの? そして何故、こんなに悍ましい呪いを発しているの? 何か知ってるんでしょう。話して貰うわ」
「構わないとも。俺達は今や盟友、情報は共有すべきだ」

 剣呑な面持ちで威嚇してくる彼女に迫力はない。いや、高貴な育ち故の威厳はあるが、ギルガメッシュやアルトリア、そしてネロや神祖を知る身としては威圧される訳もない。
 言っては悪いが深窓の令嬢だった箱入り娘である。そんなアイリスフィールの厳しい目は、どことなく可愛くすら思える。いや、イリヤの母親に当たるひとを可愛いと称していいのかは微妙だが。

「俺が先程目視したのは、言ってみれば産業廃棄物だ」
「え? 産業、廃棄物……?」
「詳しく話すと長くなるから省略するが、端的に言って冬木の大聖杯は汚染されている。第三次聖杯戦争でアインツベルンが召喚した怨霊、アンリ・マユによってな」
「アンリ・マユですって?!」

 その名に驚きを露にするアイリスフィール。俺は思った。アインツベルン、報連相ぐらい徹底しろよと。
 最初から事情を知らされた上で参戦していたなら、途中で事情を知り心変わりする可能性も低くなるだろうに。そんなだから本来の歴史で切嗣に裏切られるのである。 
 なお事前に説明しても裏切られるだろうが。まあそこはそれ、もともと神霊を召喚しようと試みるにしろ、『
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